歯の豆知識

2003年5月号

今すぐ歯周病予防~むし歯よりコワイ?~

むし歯と歯周病の違い

むし歯は、歯の表面にむし歯菌が繁殖して歯に穴があき強い痛みを感じます。一方、歯周病は歯と歯肉の間のすき間に歯周病菌が感染して、歯肉や歯根膜・歯槽骨といった歯周組織を破壊するのです。つまり歯周病は、歯そのものが壊されるわけではなく歯を支える土台が根底からくずされてしまうわけですから、ひとたまりもありません。とはいっても、歯が抜けてしまうのは重度の段階まで進行した場合で、適切な治療を受ければ歯を失わずにすみます。

歯肉に炎症 歯肉に炎症がおこり赤く腫れる。歯と歯肉の間に歯周ポケットができて、プラークがたまっている。
血や膿がでる 血や膿がでる。
わずかに歯がぐらつきはじめる。
歯を支える歯槽骨が溶けはじめる。
歯がぐらぐら動く 歯がぐらぐら動く。ストレスなどで炎症が悪化して痛みがでて気づくことが多い。
歯が上下に動き、抜ける寸前 歯が上下に動き、抜ける寸前になる。歯肉からは常に膿がでてくる。
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状態 歯肉炎 歯周炎
軽度 中等度 重度
治療 ブラッシング 歯石除去
ブラッシング
歯石除去
ブラッシング
手術
抜歯
義歯など
段階 歯科医の指導を受けてセルフケアで対応できるレベル。 歯科医の治療を始める必要がある 歯周病の専門的治療が必要

歯だけでなく、全身にまで・・・

歯周病というと「歯だけの問題 と考えがちですが、最近では歯周病が全身にさまざまな影響をおよぼしていることが少しずつ分かってきています。心臓弁膜症の人や人工弁をつけている人の場合、弁の部分に歯周病菌が入って増殖すると心臓発作を起こすことがあります。また高齢者に多い誤えん性肺炎が歯周病菌によって引き起こしているという説もあったり、糖尿病についても患者さんが歯周病の治療をすると血糖値が下がってくる例も報告されています。さらに、妊娠中の女性が歯周病にかかっていると、歯周病菌に刺激されてプロスタグランジンという物質が急激に増え、胎児が充分に成長しないうちに早産をおこしやすいことも分かっています。

歯周病を防ぐためには

歯周病の検査や治療には健康保険をつかうことができます。
まず歯周基本検査といって、歯周ポケットの深さを測り、それによって進行段階を診断します。ほとんど痛みはなく短時間ですむので、定期的にチェックしてもらうとよいでしょう。 歯周病の研究はすすみ、GTR法といって失われた歯周組織を再生させたりレーザーを照射するなどさまざまな治療法が開発されつつあります。しかし、こうした治療が可能は症状は限られているのが現状です。またどんなに研究が進んでも、自分の歯を失ってからでは元にもどせません。
歯周病は、早期に発見して治療をすれば治せる病気です。日常のブラッシングで予防に努め(特に「つまようじ法」が効果的です)、気になる症状があるときは早めに歯科を受診し、適切な治療を受けてください。