2004年6月号

非金属で自然な入れ歯~フレキシブルデンチャーとは?

現在の入れ歯

 日本の入れ歯人口はかなりの数に上ると言われています。
その一方で、「具合が悪い」「違和感がある」「見栄えが悪い」と悩んでいる方が多いのも事実です。入れ歯の違和感は食生活の質をダイレクトに左右するため、利用者にとっては非常に重要です。そのような問題を軽減した入れ歯として、磁石を使ったものや人工歯根もありますが、こうしたモノは費用も高く負担も大きくなるのでネックでした。
そこで、最近登場したのが「従来の入れ歯の半分の重さと厚さ」「ぴったりとした装着感で違和感が少ない」と言われるフレキシブルデンチャーです。

ブリッジイメージ

フレキシブルデンチャー

フレキシブルデンチャーの仕組み

フレキシブルデンチャーイメージ

 フレキシブルデンチャーは、金属バネの代わりにプラスチック系の特殊なナイロンを使用しており、素材に透明感があるので歯グキの色に溶け込み、入れ歯として目立たず変色もありません。素材の弾力を活かして、残っている歯を包み込むことで入れ歯を固定します。しかも無味・無臭で安定して食べ物を食べることができ、発音も自然になるということで、欧米ではすでに50年以上の実績があるそうです。金属を使用していないため、金属アレルギーの方にも最適です。

院長

院長より一言

 やむをえず歯をなくしてしまった場合、噛む機能・発音・審美・バランスなどに障害を及ぼします。そこで、義歯をつくるわけですが、普通は固定式の義歯(ブリッジ)を作ります。しかし、抜けた本数や場所によっては、取り外し(可徹式)の義歯になります。取り外しの義歯は、残っている歯に金属のバネをかけて、外れずに噛めるようにします。
 ところが、この金属のバネは口の中でどうしても光ってみえてしまうので、それを光らないように歯グキと同じ色をした特殊な樹脂を用いて作ることが可能になりました。
 これにより、大きく口を開いても義歯を入れていることが分からず、また自分の歯をしっかりと抱きこむため使用感が安定し、噛みよい義歯になります。さらに、残っている自分の歯にも負担がかかりにくく、より永く保てます。フレキシブルデンチャーは軽くて薄くて弾力性に富み、審美的に優れています。当院の患者さまにも、違和感なく快適に装着していただいており、非常によろこんでおられます。