2004年9月号

歯周ポケット測定検査

歯周病の有無が分かる!

歯の自覚症状がほとんどないまま進行する歯周病。しかし、簡単に見つけられる検査があります。それが歯周ポケット測定検査です。20~30代は年1回、40代になったら半年に一度はチェックしましょう。

測定検査イメージ

歯周ポケットの深さを測るプロービング
歯周病は、歯と歯肉の境目にある隙間=歯周ポケットの深さで診断します。深さが3mmを超えたら要注意!4mmに達していたら歯周病です。

検査は「ポケットプロープ」と呼ばれる目盛りのついた探針を使います。「歯と歯肉の狭い隙間に針を入れるなんて痛い」と思われるかもしれませんが、実際には炎症がない限り、痛みはほとんどありません。歯ぐきが腫れていたり、赤くなっている症状などがある場合は、多少痛みを伴います。

プローブによる検査は、歯1本につき周囲4~6箇所で行います。それぞれの場所で、歯周ポケットの深さを測定すると同時に、ポケット底部からの出血の有無も確認します。出血があった場合は、歯肉縁下歯石(しにくえんかしせき)やプラークがたまっていると考えられるので、歯石除去と歯みがきを徹底するように指導されるでしょう。歯周ポケットの深さが4mm以上に達していた場合は、ポケット内に細菌がたくさんいますから、ポケット内の歯石をとるなど本格的な歯周病治療が必要になります。

中年男性イメージ

レントゲン撮影も必須

もうひとつ、歯周病検査で必須とされているのが「歯を支える骨=歯槽骨」のレントゲン撮影です。骨の状態は外から見てグラつきがないかを調べる検査も同時に行います。
歯のグラつきは、歯周病によって歯槽骨が破壊されたために起こるとは限りません。向かい合ってかみ合う歯の一方が失われたために、もう一方が飛び出してきて、その歯だけに強い力がかかるのでグラつくようになるというケースもあります。歯周病に冒されていると、向かい合った歯がない場合、とくに飛び出してくることが多いので、まず固定してからブリッジなどで修復するケースもあります。向かい合う歯をつくるために、必要なら入れ歯やブリッジなどを入れます。

歯周病検査は、40歳から5年刻みで施行されています。生活習慣病健診の一貫として、公費で受けることができます。が、5年に一度では意味がありません。歯周病は20代でも発症します。20~30代は年1回、40代になったら半年に一度は検診を受けましょう。