2009年9月号

虫歯のリスクを高める口呼吸

くちの中がパッサパサで~す

口をぽかんとあけて、口で呼吸をしている若い人が増えています。
呼吸は本来、鼻でするものです。鼻の粘膜はフィルターの働きがあり、細菌を取り除いたり、空気を加湿したりしてくれます。しかし、口で呼吸をすると、唾液が減って口の中が渇き、虫歯になるリスクが高まるうえ、口臭も出やすくなってしまいます。思い当たる人はぜひ直しておきたいものです。


口呼吸の原因はさまざまです。よく見られるのは、次の4つ。

  1. 鼻の奥、のどの突き当たりにある扁桃腺のひとつ、アデノイドが大きいなど、耳鼻科系の病気をもっている。この場合、寝ている間、いびきをかきやすいのも特徴。
  2. 口を閉じる筋肉=口輪筋(こうりんきん)などが弱い。
  3. 舌が大きめで、しかも力が弱い。
  4. 上の前歯が出っ張っているなどで、口が閉じられない。

1が疑わしい人は、耳鼻科で検査をして適切な治療を受けましょう。
4は極端な場合、歯列矯正が必要になります。いまは大人の矯正がさかんに行われる時代。思い切って矯正専門医に相談してみましょう。
2、3は、口輪筋や舌を鍛えるトレーニングを行うことで、多くの場合改善できます。舌を歯に押しつけるクセがあって、舌の縁に歯型がつきやすい人、あるいは、上下の前歯の間に舌を出すクセがある人にも、このトレーニングは有効です。


◆口輪筋を強化するトレーニング◆
口輪筋を強化するトレーニング 20cm程度のヒモをつけたボタンを、唇と前歯の間に入れます。口を閉じてヒモを手前に引っ張り、ボタンが飛び出さないように唇のまわりに力を入れます。
このとき、あごの部分が梅干し状にしわがよらないよう、おすまし顔でできるようになることが大切です。鏡を見ながらやってみましょう。



◆舌先を強化するトレーニング◆
舌先を強化するトレーニング 通常、安静時は舌が上あごの天井にくっついていて、舌先は「口蓋すう壁(こうがいすうへき)」と呼ばれる上あごの小さく突起した部分についているのが普通です。しかし、子どものころの指しゃぶりなどが原因で、舌を歯と歯の間にはさんでものを飲み込んだり、舌を前方に突き出すクセのある人はこれができていません。舌全体を持ち上げて、舌先を口蓋すう壁に当てる練習をしましょう。
アイスバーなどのスティックを口の前で立て、鏡を見ながら、それを舌先でウイッっと押す練習も舌の力を強化するのに効果的です。