歯の豆知識

2010年12月号

虫歯に自然治癒はあるのでしょうか?

自然治癒の扉

皮膚の傷はいつか治りますが、虫歯が自然に治ったという話はあまり聞きません。虫歯には自然治癒はないのでしょうか?

一度むしばまれた歯のエナメル質や象牙質などが、爪が生えるように再生してくるものなら、歯科医院はいらなくなります。むしばまれた歯は、残念ながら放っておいたら確実に溶けてなくなっていくのです。

しかし、ひとつだけ例外があります。比較的最近になってわかってきたことですが、虫歯の初期のC0の虫歯なら、削ったりしなくても治ることがあるというのです。ただしこれは、あくまで虫歯がまだ歯の表面のエナメル質だけに留まっていて、外から見ると、淡い白斑が見える程度の虫歯に限られます。

また、自然治癒というのは、放っておいても治る、という意味ではありません

なんの努力もせずに放っておけば、いくらC0の虫歯でも確実に悪くなっていきます。

まず歯医者さんにみせて、自然治癒が可能かどうかの判断をしてもらいます。歯科医は、単に虫歯の様子だけではなく、その人の年齢や体質などさまざまな要素を総合的に判断します。

そのときに、大切なのは、その人がどれだけていねいに歯を磨く習慣をもっているか、ということです。歯磨きをいいかげんにする人には、この方法は向きません。

自然治癒の方法でやってみようというとこになったら、まず歯科医院で歯垢や歯石をよく取り除いてもらい、歯磨きの指導を受け、毎日きちんと歯磨きを実行します。ケーキやアイスクリームなどの甘いものもなるべく食べないようにします。そして定期的に歯科医院でチェックをしてもらいます。

これだけのことを実行してはじめて、虫歯の自然治癒が可能になります。自然治癒を助けるために、歯科医の判断で歯の表面にフッ素を塗ることもあるでしょう。

とにかく、これは患者さんと歯科医院がきっちり連携して、根気よくやらねばならない作業です。うまくいけば、数ヶ月から1、2年のうちには、虫歯はみごとに治っているでしょう。