2012年3月号

口内炎を撃退!

しっかりと休息を

■口内炎の代表的なパターン
口内炎にはいろんな種類がありますが、いずれも痛みや腫れ、口の中の違和感やものが飲み込みにくいなどの症状が現れます。

○アフタ性口内炎
約70%がこの口内炎です。表面が白かったり黄色く濁った色をしていて、周囲が赤っぽくなるのが特徴です。円形や楕円形で中央が少しくぼんでいて、痛みを伴い、複数同時にできることもあります。唇や頬の粘膜だけでなく、歯茎や舌などにもできます。

○ヘルペス性口内炎
ヘルペスというウィルスの感染によっておこるもので、口の中や唇の周りの皮膚に水疱ができ、ピリピリとした痛みが特徴です。ウィルス性の口内炎では、ほかに「カンジダ性口内炎」もあります。カンジダ性口内炎は、口の中に白っぽい苔のようなものができたり、赤く腫れることもあります。

○前がん病変
これはがんになる前段階の状態です。現在「口腔がん」を発症する人が増えています。口内炎だと思い、放置していく間に症状が進行してしまう若い人も多く、注意が必要です。痛みを伴わず、口の中が白くなったり赤くなったりしたら、口腔外科を受診してください。

■口内炎の原因

○細菌やウィルス
アフタ性口内炎や、ヘルペス性口内炎などは細菌やウィルスが原因です。これらの菌は体力が低下すると動きだし、口内炎を発症させます。口内炎の発症により、痛みで心身の状態が悪くなると、さらに口内炎が悪化するという負のスパイラルに陥ることも。また、数百種類と言われる口中の雑菌が繁殖し、傷口が炎症をおこしていることも考えられます。これらの口内炎は生活改善と飲み薬・軟膏で治療します。

○生理周期

生理はエネルギーを使い体力を消耗します。体力が低下すると、細菌に感染しやすくなったり、常在菌によって口内炎ができやすくなるのでご注意ください。また、生理の前後にはホルモンバランスが乱れるなどで、唾液の分泌が減ることも原因になります。婦人科の先生と相談しつつ、生活習慣全般から、口内炎になる原因を探って体質改善と治療を行います。

○歯並びや歯の形
同じ場所に口内炎ができるという人は、歯科で「口の中を傷つけやすい歯並び」かどうかを診断してもらってください。眠っている間や無意識のうちに頬の内側を噛んだり、唇などが歯でこすれて傷ができるなど、意識していない場合は、再発の危険が高いので要注意です。

○口の中の乾燥
唾液は口の中に生息している雑菌の繁殖を抑える効果があります。ホルモンバランスの乱れや貧血、体調の変化などによって唾液の分泌量が減ってしまうと、ちょっとした口内の傷が口内炎に発展してしまう可能性が高まります。歯科や口腔外科で唾液の分泌量をはかり、少ない人は体質改善のアドバイスを受けてください。また、唾液量が少ないと虫歯の原因にもなります。

■生活習慣の見直しで予防

予防のために大切なことは、健康を保つことです。バランスよく食事し、疲労をためない生活を。

○生活改善
過労や睡眠不足で口内炎はできやすくなります。まずは休息を取り、バランスのとれた食事を心がけましょう。また、ビタミンB1・B2が多く含まれる食材を意識して取りましょう。

○正しい歯磨き
力を入れて歯を磨くと、歯ブラシで口の中を傷つけてしまいます。また、磨き残しから細菌が繁殖してしまうと、口内炎の大きな原因になってしまいます。正しい歯磨きで口の中を清潔に保つことが口内炎の予防につながります。

■口内炎ができてしまったら

口内炎の症状を抑えるには、専門医が処方する薬が必須です。口内炎の種類によって薬を使い分ける必要がありますので、自己診断は禁物です。

☆思い込みによる間違い

・ほっておけばそのうち治る
→治らない場合もあります。口内炎は患部がこすれやすく治りにくいのが特徴です。1週間以上治らないものは口内にできた腫瘍の可能性もありますので、軽視は禁物です。

・病院に行くほどではない
→口腔外科を受診してください。歯の形に問題がある場合、矯正や歯を削るなどの調整が必要です。また、口内炎は生活習慣とも密接にかかわっていますので、治療と同時に歯磨きや食生活などのアドバイスも受けましょう。

・体質だから仕方ない
→細菌などが原因の場合も多くあります。疲労や栄養バランスの乱れで、細菌などに対しての免疫・抵抗力が弱くなり、口内炎ができやすくなります。激しいダイエット中や病み上がりなどは体力が消耗していますので、口内炎ができやすくなります。