毎年恒例の中津保育園のフッ素塗布。今回は、集団フッ素塗布は初めての石田さん・大東さん・雅之先生と、ベテランの畑本さんが参加しました。朝の8時30分に保育園に向かいます。途中には、自転車に3人乗りした、保育園に送っていく元気なお母さん達の姿がいっぱいです。今日は、フッ素塗布の為、皆さんいつもより登園時間が早いようで、必死になって自転車を漕いでおられました。
保育園に到着すると、ライオン歯科衛生研究所の衛生士さん達のご協力のもと、イオン導入器の準備が進められていました。2歳児以上が対象で、園児約100名に塗布を実施します。まずは、全員集合したところで、園長先生のご挨拶のあと、主人が園児の皆さんにお話しします。
「虫歯のある人、手を挙げてください。」
と言ったら、年長さんには、結構な人数の子が手を挙げていました。残念なことに、随分虫歯があるんですねぇ。
ライオンの衛生士さんの紙芝居が始まりました。良いおじいさんが、子タヌキの痛い虫歯を治して、狸御殿に招待されてご褒美をもらうというような内容で、昔話の「こぶとり爺さん」と「浦島太郎」と「金の斧と銀の斧」を混ぜたようなお話でした。良いおじいさんは、金の歯ブラシをもらい、悪いおじいさんは、フタを開けたら、煙とともに虫歯菌がいっぱい出てきた・・というような話です。(笑)
ここからは、歯磨き指導が始まります。園児達は、マイ歯ブラシを持って元気にお返事します。そして、衛生士のお姉さんと一緒にしっかり歯磨きしていきます。
どの子も、ほんとに真面目に磨いています。とっても素直な園児達です。
このあと、当院の衛生士3人で、順番に「仕上げ磨き」をして、フッ素塗布に向かいます。
トレーの中の綿花にフッ素液を浸み込ませ、これに微弱な電流を流して、歯にフッ素イオンを導入していきます。上顎から始めて、下顎にも同じようにします。
幼い園児は、少し酸っぱい味に馴染めず、ちょっと泣いたりしています。気持ち悪くて、唾がだらだらの子もいます。だんだん大きな子になると、とってもスムーズにできるようになります。今回は、雅之先生も準備に加わっていただき、フッ素塗布の手順を視てもらいました。
その途中、フッ素塗布が終わって園庭で遊んでいた4歳の子が、転倒して上前歯を打撲しました。左上前歯が少しめり込んだ状態です。雅之先生と一緒に診療所に行き、治療を受けることになりました。
そのあと、また、転倒して唇を切った子がいました。歯は大丈夫なようでしたので、診療所から、口内炎のお薬ケナログ軟膏を持ってきてもらいました。保育園の先生方も、ちょうどすぐに診てもらえてよかったと仰っていました。
約1時間で、全員終了です。そのあと、いつも保育園のほうから、お茶とメロンを出して下さいます。今回も、それをいただきながら、ライオンの衛生士さんや園長先生とお話をさせていただきました。園長先生は、お母さんの教育方針が昔と違ってきているため、子どもたちの常識にズレが生じてきており、とても大変な時代になったと言われていました。
私が、先日の「美談ですぅ〜」の話をしたら、
「世の中、捨てたもんじゃないですねぇ〜♪」
と、ライオンの衛生士さんも感心されていました。日頃の親の教育が、道徳観念に繋がっています。その方の行動を通して、親の有り様が見えますね。
帰りには、保父さんが園庭になっている柿を採って下さいました。枝によじ登ってまで採ってくださった、その「優しい気持ち」に感謝しながら戴きます。
江上家の家訓・・・「常日頃が肝心!!」
特別な時に特別なことが出来るというのではなく、ごくありふれた日常の中に、世の中の人々を思いやる「情」が育つ過程があり、それが素晴らしいのである・・・ということ。どの人も、幼い頃のままに、「素直」に「純粋」に育ってほしいですね。そして、若い衛生士さんを育てるのには、心の姿勢と体の姿勢の両方を視ていかなければいけませんね。
心にも フッ素塗布する 親の愛