浩子の部屋

つまようじ法歯磨き

「医院の見学をさせてください!」
と、株式会社P.M.J.の歯科衛生士長浦さんより、電話がありました。
P.M.J.は、V7ハブラシによる「つまようじ法」という磨き方を推進されている会社です。
V7ハブラシによる「つまようじ法」は、岡山大学歯学部の名誉教授である渡辺先生が考案された方法で、ブラッシングにより、歯茎の腫れや出血、いわゆる歯周病を改善して、引き締まった歯茎にしようという方法です。
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当院では、6年前から取り入れています。
歯間ブラシを使わなくても、ハブラシ1本でプラーク除去と歯肉マッサージの両方ができるんです。当院で歯磨きをさせていただき、V7ハブラシのファンになられる患者様も多く、一人で1箱(12本)、2箱と買っていかれる方もおられます。これで磨かないと頼りない感じがするとおっしゃられ、やはり、歯茎の状態も当初よりぐっと改善されていらっしゃいます。
以前、実際につまようじ法の講習を受けたのは、現衛生士5名のうち、米山さんと齊藤さんだけです。患者様のチェアーでの待ちの時間に磨かせていただいたり、特に歯周病の進行している方に磨き方を指導したりしていました。
今回の見学の話は、ほんとに突然の申し出であり、
「わざわざ見学に来ていただいたとしても、予防歯科だけを熱心にやっている歯科でもないので・・・」
と、申し上げたのですが、
「行って、見学だけでなく、是非に磨かせていただいたり、直接指導したりして、衛生士の皆さんに奮起していただき、V7ハブラシの普及に努めていただきたい。」
ということでした。
長浦先生は、とても精力的であり、
「磨かせてもらって、患者様に『気持良かった!!』と喜んでいただくのが、一番の喜びです。」
と、おっしゃっていました。
歯科衛生士として、予防歯科を推進し、患者様の「健口つくり」のお手伝いができることは最高の喜びだということが、ひしひしと伝わってきました。
そして、どの患者様にも、
「磨かせていただいてよろしいでしょうか?とってもスッキリしていただけることと思います。」
と、丁寧にご挨拶をしていただきながら、手際良くお口の中を磨いてくださいました。
患者様も、しっかり磨いてもらうというのは、とても嬉しい、ありがたいこと・・・と受け止めていただき、喜んでいただきました。ブラッシングのベテランの先生に磨いてもらう・・・というだけで感謝していただけるような感じでした。院長が推奨するのなら大丈夫と信じて疑わない患者様に、こちらも頭が下がる思いです。
衛生士たちは、必死で長浦先生の手元を見て、勉強していました。今までやっていた方法は、できるだけ患者様が痛くない程度に気持ちいいというレベルで磨いていました。長浦先生は、消しゴムでこするくらいの200g重で、力を入れてしっかり磨いて、歯肉をマッサージすることが大切だとおっしゃっていました。患者様の顔色をうかがってばかりで、結局、つまようじ法の主たる方法から、少しズレていたようですね。
長浦先生は、さらに、
「患者様の歯茎は、患者様がハブラシで磨いて、自ら治すものではなく、私達衛生士がしっかり技術を習得して、『歯周病は私達が治すんだ!!』という意気込みでやらないといけない。しっかり磨いてあげることで、患者様もとても気持ちが良くなるし、また、この医院に何回も通っていただけることになるんですよ。」
と、おっしゃっていただきました。
衛生士は、患者様のお口のケアのお手伝いをするのではなく、お口をしっかり管理してあげて、患者様にやる気をもってもらい、歯周病を撃退していくんだという強い意志が必要なんですね。
院長も私も、長浦先生のブラッシングに対する姿勢にとても影響を受けて、治療重視の診療室から、治療後の予防にも50%力を注ぐ歯科へとシフトしていくことが大切であると感じました。
「常に健康な歯と歯茎を保てるように、一緒に頑張っていきましょう!!」
という姿勢の大切さを、もう一度、新たに自分の心に刻んでいきたいと思います。
常に患者様の明るい楽しい笑顔に出会えることが、私達医療従事者の最高の喜びであり、「江上歯科へ通うのが楽しい!!」とおっしゃっていただけることが、私達の最高の誇りとなるんですものね。
とっても良い刺激をいただき、本当にありがとうございました。
衛生士と院長や私との距離も、また一層縮めていただいたように思います。
つまようじ法は、技術を指導してもらうだけでなく、自身の歯茎の感覚で覚えよ!!
歯みがきは、患者さんとのコミュニケーションツールの一つなんですね。

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