皆さんは、1日何回歯磨きされますか?
本当に丁寧に磨かないといけないのは、毎食後???
しかも、泡の立つ歯磨き粉をたっぷりとつけて???
泡だらけで、つい、吐き出したくなるような食後の歯磨きが本当に有効なのでしょうか?!今回も、マイナビニュースで、主人のインタビューコメントが掲載されました。
歯科医が教える。虫歯予防の
効果が高い歯磨きタイムとは?
子どものころに学校で、「毎食後3分以内に3分間、歯を磨こう」と教えられた記憶があります。虫歯が多い筆者は、ン十年にわたってそれを愚直に守ってきたのですが、先ごろ耳にした情報では、虫歯予防としてはあまり「意味がない」というではないですか。
いったい、いつ磨けばいいのでしょうか。歯学博士で口腔(こうくう)衛生・口腔外科が専門の江上歯科院長・江上一郎先生にお尋ねします。
■食後に歯を磨いても虫歯予防にはならない
「食後3分以内に3分間、歯を磨いていれば虫歯にならない? それは『3・3・3運動』といって、歯を磨く動機づけにはなりますが、虫歯を作らないという意味ではありません」ときっぱり言う江上先生。続けて、
「虫歯の原因は、口の中にいるストレプトコッカス・ミュータンス菌が、歯に付着した糖分を餌にして歯の表面にねばねばした物質をつくり出し、増殖して『かたまり』を形成します。これを「歯垢(プラーク)」といいます。そして、その歯垢から産出される酸によって歯のエナメル質が溶けると、虫歯になります」と、虫歯の原因について説明します。
食後の歯磨きに意味がないのはなぜでしょうか。
「食事をすると、口の中の細菌をいっしょに食べてしまいます。だから、食後の口の中は、虫歯のもととなる菌が一番少ないんですよ。そんなときに歯を磨いても、虫歯予防にはなりません。だ液もたくさん出ていますからね。
食後の口の中のニオイが気になる、口の中をさっぱりさせたいなどで歯を磨く人は多いようですが、水でのうがいでいいのです。
歯と歯の間にすき間があってそこに食べ物がはさまる場合は、爪楊枝もしくは歯間ブラシでそれを除いておいてください。食後は、それで十分です」(江上先生)
■起床時と、寝る前に磨こう
では、虫歯予防の効果を高めるには、いつ磨くのがよいのでしょうか。
「朝、起きたときです。朝食後ではなく、朝食の前に磨いてください。起床時には、口の中がねばねばしているでしょう。これが口の衛生状態で最も良くないのです。虫歯、口臭、歯周病の原因は、このねばねばです。起きたらすぐに歯を磨いて、これを取り除いてください。
虫歯菌は、夜寝ている間に、歯に着いている糖分を餌にしてどんどん増殖していきます。そして、その増殖した菌によって生み出される「酸」が歯の表面を溶かしていくのです。つまり、虫歯はこの間、夜につくられる、と考えてよいのです。
もうひとつ、虫歯を予防するのは、唾液です。唾液には食べ物を消化する役割がありますが、同時に、細菌を殺して口の中を清潔に保つ役割も担っています。小さな切り傷などのケガなら、ツバをつけたら痛みや傷が癒えるでしょう。これは唾液の殺菌力の効果です。
夜寝ている間は唾液が減少するため、唾液による殺菌力が弱まり、虫歯菌が活動しやすくなります」と、江上先生は虫歯の原因を明快に語ります。
さらに、口の中のねばねばを少なくするためには、
「夜寝る前にも磨いて、プラークをできるだけ除いておきます。つまり、虫歯予防のためには、食後も大切ですが、起床時と寝る前に歯を磨くのが一番効果的なのです」(江上先生)
■唾液が一番の虫歯予防薬
江上先生は、虫歯予防について、こう付け加えます。
「口の中で、ねばねばと唾液はいつも闘っています。口腔(こうくう)内で悪さをしようとするねばねばに、唾液が対抗しているのです。
唾液がふんだんに出ていると、ねばねばを洗い流してくれて、口の中はさらさらでいることができます。
赤ちゃんは唾液がいっぱい出ていますね。体に入ってくる細菌を唾液で防ごうとしているんです。加齢とともに唾液は減りますが、若い人でも、緊張感が高いときやストレスがあるときには唾液は出にくくなります。
口の中が乾いているな、唾液が出ていないなと思えば、赤ちゃんの唾液をイメージし、ガムをかむ、梅干しを食べる、またあごを動かしたりして唾液が出るように意識をしてください。リラックスすることも大切です。何度も歯磨きをするよりも、その方がずっと虫歯予防になります」(江上先生)
寝る前と、朝起きたらすぐに歯を磨く。これだけで虫歯など口の中のトラブルは激減するそうです。今日からすぐに実践しましょう。