浩子の部屋

すしやのおじいちゃん

「ちょっと、歯診てほしいんや~。下の方が痛いんや。」
「先日は、たくさんお寿司ありがとうございました。美味しかったです。みんなで分け合って、いただきました。」
「そうか、美味しかったか?!また、頼んだるから、もらってこいや。」
「もう充分いただいたので、今日はもう結構ですよ~。」
「わし(俺)を誰やと思っとるんや。遠慮せんと、もうてこい!!」

中津名物?「寿し大半」の会長・93歳のおじいちゃんです。会う度に、
「わし、何歳やと思う?」
と、ご自分の年齢を尋ねてこられます。この年齢でも元気やろ?!・・・という自慢だと思います。でも、このおじいちゃん、ほんとに気だてが良くて、道で出会っても、
「おい、ちゃ~(お茶)飲みにいこか~?」
と、お愛想をしてくださいます。

つい、3日前にも巻寿司を10本もいただいたばかりだったので、遠慮させていただこうと思ったら、よけいに怒られてしまいました。おじいちゃんの下顎の入れ歯を修理している間に、スタッフの棟近さんがお寿司屋さんまでもらいに行ってくれました。ご覧のとおり、棟近さんは、使い走りになっていましたけれど・・・(ご苦労さま♡)。

今日のお寿司は、助六寿司。また、10パックもいただきました。みんなで、休憩時間に少しずついただいたのですが、お腹が満杯になってしまいました。お酢の匂いがたまらなく食欲を誘うのですね。太ることを気にしながらの・・・休憩タイム♪

このおじいちゃんは、28歳で戦争から帰ってきた時に、最初に松屋町でお店を持ったということでした。当時は、よく売れて商売繁盛!!おかげで天六(天神橋筋6丁目)に店を持つことができて、今があるんだという・・・延々と長い話が続きました。息子さんは、寿司を握るより器械の発明の方が好きで、全自動だし巻き機(エッグロボ)を発明して特許を取られ、全国に器械を販売されています。その他にもいろんな産業機械を開発して販売されている、株式会社ダイハンの社長です。

93歳でも、頭はシャキッとされていて、話も回転が速く、いろんな自慢話がとび出てきます。ず~っと聴いていると・・・ちょっと疲れてしまいます(笑)。でも、戦争でご苦労されてきたんだろうなって感じがします。
「わしも一生懸命頑張ってきたんや。息子らは、そんな必死に寿司握ってきた気持ちも分からんと、自分で大きくなったと思うとるからな。」
この言葉に、親としての責任感や、「今元気で生きている」ということの大切な意味を教わります。

「わしの周りはみんな死んでもうた。まだまだ元気で頑張ってくださいとみんな言うけど、死んだらそれでしまい(おしまい)や。生きとらんと意味無いんや。」

明日まである命かどうかは、神のみぞ知る。おじいちゃんの意味のあるような無いような話は、実は深い深い人生教訓なんですね。ほんのりと温かい「中津人情」を感じた今日この頃です。

おじいちゃん、まいどおおきに~!!

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