浩子の部屋

ウグイスの時間

ゆったりと流れる時間・・・
同じ時間であるはずなのに、都会とはまるで違った緩やかな「時の流れ」を感じる。ここは、篠山の蟠龍庵(はんりゅうあん)の庭。
いまでも、ウグイスが「ホー、ホケキョ〜♪」と鳴いています。
鳥の声以外には何も聞こえない、静かな静かな空間に居る。
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「ウグイスは、いまでも鳴いているんですね。春だけかと・・・」
と、住職さんに尋ねてみると、だいたい7月まで鳴いているとか。ここにずっと住まいをされていて、庭にいるウグイスの声を聞き分けておられるようです。
「今鳴いているのは、まだ、若いウグイス。もっと熟練してくると、『谷渡り』と言われるケキョ・ケキョ・ケキョという鳴き声が出来るようになる。」
へぇ〜〜!!そうなんや。いい声だと思っていたのは、まだまだ未熟者なんや。
ウグイスは、長ければ10年くらい生きているそうで、それぞれの家族で縄張りがあるようです。ここのところ、繁殖して少しずつ増えてきたとおっしゃっていました。
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はぁ〜〜っ!ウグイスの声を毎日聴いて過ごすなんて、考えたこともありません。たまに聞こえるくらいだったら、まだ分かりますが・・・
すごい世界ですねぇ〜〜。
私達は、大阪で、電車や自動車の音に囲まれて生活しています。「し〜〜ん」とすることなんか、全くありません。まして、仕事場では、タービンの音(歯を削る音)がいつもしているのが、普通なんですから。ガチャガチャした音を聞き、生活までがガチャガチャ
してしまっています。時がゆったりと過ぎて行くというのを、ほんとに感じていません。
あ〜〜ぁ、今日も忙しい一日が終わったぁ〜・・・と思って寝るだけ。
これが都会の宿命なんやねぇ〜。
こんなガチャガチャの中で育っている孫。
もうすでに、2人の孫は連日ガチャガチャ走り回っている。都会時間が体に染み込んでいるようです。おそらく、のんびり・ゆっくりとできない性格になってしまったようです。おかげで?家じゅう、盗っ人が入ったような、足の踏み場もない状態。毎日、片付けては散らかし、片付けては散らかしの繰り返し。ほんまに大変ですよ〜〜。
でも、そんな中、癒されるのが生後6か月になる孫。この人は、ほんまにのんびりしてはります。あまり大きな声で泣かないし、やっとお座りはできるようになったものの、まだ寝返りもしません。「僕は、僕時間」みたいに、自分の流れるテンポやリズムがあるようです。誰を見ても笑顔を向け、「ほわ〜〜っ」としている感じです。
物事にあまり動じない性格なのでしょうか?今日も、水遊びをしている従兄に、頭から水をかけられても、平気で喜んで笑っていられる・・・不思議です。「感覚が鈍いのと違うの?」と、ママは心配そうですが・・・
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私の亡くなった祖母にも、ちょっと、性格が似ている気がするのは、私だけ???でしょうか。
祖母といえば・・・
私の幼少期の記憶は、仏前の祖母の横に座り、頭を撫でてもらっているところから始まります。
「あんたは、かしこい、かしこい。」
と言って、仏前でおじぎする私の頭をクリクリッと触ってくれるのです。
その頃は、「仏さま」というのがいったい何者なのかが、よくわかっていなかったのですが、手を合わせることで、祖母に誉めてもらえるという「心地よさ」が、ずっと記憶に残っています。(実は、仏様にお供え物をして、そのお下がりをいただけるということが、楽しみであったのかもしれませんが・・・)
今の私にとっては、祖母がずっと私のことを「かしこい」と誉めてくれたその言葉が、自分の心の一番の支えになっていると感じています。
ああ〜〜、ありがたいことだぁ〜!!
今でも、その愛に満ちた、その愛に包まれたその言葉で、胸が熱くなり、涙があふれ出てくる。どんなに大切に育ててもらったか、どんなに愛されたか、どんなに深い深い眼差しで見守ってもらっていたかが、今になってよく分かる。
私が、孫を大切に思う心。その心のままに、きっと同じ目線で、私を見てくれていた!!
ああ、ウグイスの時間は、私の心の奥に住まいしていたのだ♪

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