「絽(ろ)」と聞いて、皆さんは何を想像されますか?
着物通な方なら、すぐわかりますよね。夏物の着物地のひとつです。薄い透け感が、見た目と着心地に涼味をかもし出してくれます。まさに、「涼しさを装う!」ということですね。他に織地として、「紗(しゃ)」とか「羅(ら)」とかもあります。
初めての女の子の宮参りにと、夏用の絽の祝着(初着)を購入しました。
私の嫁入り時の着物を全部誂えてくださった、本町にある「三益」という卸問屋さん。その時以来のお付き合いで、私や娘の着物を、すべてお世話になってきました。
もともと、着物は日本の社交着として、やはり人前では一番見映えもするし、一番格式が高いものであるという認識があります。日本の伝統工芸品みたいなものを身にまとうわけですから、日本でこれ以上に美しいものはありません。
私も、中年になった頃に、ちょっとお腹周りが・・・「中年太り」。(そのまんまやぁ〜)
これを隠すには、くびれのない丸太ん棒に着せる着物がピッタリ。そう思って、着付けを習い始めました。丁度、長女が大学に入った頃でした。着付け教室(長沼静きもの学院)に通い、自分自身でサッと手早く美しく着物を着られるようになりたい、また、娘の成人式に振袖を自分の手で着付けてあげたい・・・という思いもありました。
でも、着付はかなり奥が深く、週1回程度のお稽古では、なかなか上達するものでもなく・・・やっと2年くらいして、振袖の帯が結べるようになって・・・成人式にも、なんとか間に合いました。ふたりの娘の成人式に、自分の手で着付出来たことは、上手・下手の問題ではなく(プロにはかないませんから)、母としての愛情を少し表現できたかな・・・と自負しています。
今朝は、以前から頼んでおいた女児の祝着を、自宅に持って来てもらいました。一般的には、夏用を購入される方は少ないそうです。暑い時期を避けて、宮参りをされる方が多いということでしょうね。でも、今回は9月の初めにすることになり、夏用の絽にしました。(本来、9月は一重の着物ですが、大阪はまだまだ暑いので・・・)
5着持って来てくださった中で、娘が一番に「これがいい!!」と気に入ったものに決めました。ちょっと大正ロマン風な柄ですが、大胆な構図であり、古いという感じより、現代チックで和モダンな感じがするということでした。男の子と違って、やはり女の子は「華やか」ですね。見ているだけで楽しくなってしまいます。
「御祝着」を着せて、生まれて初めて神前に正式に参拝する「お宮参り」。七五三・十三詣・成人式など、こういう記念行事を大切にしていくことが、子供の成長の一節、一節になっていくのだと思います。
そして、日本の伝統行事が、「日本人の心」を育てていくのですね。
やがて、子供達が大きく成長した時には、自分が大きな愛情を持って大切に育てられてきたことを、理解してくれることでしょう!!愛情は見えないけれど、心に形となって残っていく。1枚の写真にも、大きな愛情が写されています。大切な記念日に家族全員が参加できる喜び・・・皆が満面の笑みで迎えられる日を心待ちにしています。
ところで・・・
「お母さんは、どんな着物着るの?」
と、娘の声。私は・・・いろいろ思案中・・・です。
「言っとくけど・・・お母さんが主役じゃないからね。」
と、きつい?娘のお言葉・・・???
はいはい、わかってます・・・(ハハハ)