早朝出発で、北西にあるビストラヤ川の上流に向かいます。
昨日同様、六輪駆動車ですが、今日は、前の席に乗せてもらったので、揺れはかなり少ないです。3時間ほどかかって到着です。途中の休憩所では、オバサン達が、大きなピロシキを売っていました。木箱の中に布で包んで入れて、冷めないようにしてありました。ピロシキの中身は、数種類あって、ジャガイモとブルベリーをいただきました。田舎っぽいけれど、素朴で温かいアゲパンのような感じで、美味しくいただきました。
ビストラヤ川に到着すると、川下りのための重装備です。上下防水服と帽子、防虫用ネット、虫除けスプレー、携帯蚊取り、それにバッグを入れるためのビニール袋。これは、事前に聞いていたので、日本から準備をしてきていました。車から出てみると、ほんとに大きな「蚊」が無数にいます。ネットをかぶっていても、そこにいっぱい蚊が止まってきます。
「ほんまに言われたとおりやねぇ〜。蚊が蜂みたいに寄ってくるわぁ。これは、ネットは必需品やね。こんなに凄いとは、思わんかったワァ。」
虫除けスプレーも、全身くまなく掛けて、携帯蚊取りも電源ONして、完全防備。ライフジャケットと、お尻が冷えないように発砲スチロールのマットを装着。準備ができたら、順番に5人ずつ、ゴムボートに乗り込みます。川の流れは穏やかです。残念ながら、曇り空。気温も低く、昨日とは打って変わって肌寒い感じです。早速に、釣具を渡され、フィッシングの準備。
釣具5本のうち、1本がたまたま使用不可だったようですので、私は遠慮して?見学していました。今回は、主人が必死で流れに合わせて、釣り糸を垂れていました。一昨日と違って、今日は全く波が無いので、酔うことがないから大丈夫・・・らしいです。しばらく、ボートを漕いでいる音と、釣り糸を水に垂らす音しか聞こえず・・・ほんとに静かな、ゆったりとした空間。全く雑音が無い空間。皆さん、無口になって?フィッシングに集中しておられました。
随分経ったけれど、誰も釣れません。「ほんまに魚はいるの?」と思うほどです。そんな時、ひと足先のゴムボートに乗っていた小6の女の子が、大きな鱒が釣れたようです。
「やっぱり、魚はおるんやね。皆さん頑張りましょう!!」
と、私は、口で言うだけ・・・です。(へへへ)
すると、私の横で糸を垂れていたオジサンが、
「あっ、なんか引っかかってるかも?」
と、糸を巻き上げると、小さな15cm位のイワナが釣れました。やっと、一匹です。早速に写真撮影されていたのですが、そこで???
主人が、そのイワナを持って、また写真撮影。
あたかも自分が釣ったような顔をして・・・(笑)。この間と一緒やん!!今度は、小さい魚だけに・・・
横撮りとは、ちょっとイワナいで〜♪
そろそろ皆が諦めかけている頃、大きな魚が跳ねました。
「なんかいるよ〜!!とっても大きな茶色い魚。」
見ていると、何匹かの紅鮭が、猛スピードで川を登っていくではありませんか。産卵のために向かっているのでしょう。何にも目もくれず必死になって登っているという感じでした。この辺りでは、6〜8月は白鮭、8〜9月は紅鮭が登ってくるそうです。
結局、約2時間半も川くだりしたけど、私達のゴムボートで釣れたのは、その一匹のみ。他のボートでは、ニジマスとかも釣れたようです。(悲)
川下りが終わる頃には、日が照ってきました。ここで降りて、ピクニックランチです。お腹もすいているので、一気に食べてしまいました。
ここから、マルキ温泉という、野原に沸いている温泉に浸かりにいきます。
水着とビーチサンダル着用のまま、入浴します。
川が流れている横で、かなり熱い温度の湯が湧き出しているため、川の水で水温調整をしているようです。
ロシア人の家族も、たくさん入浴していました。皆さん、写真撮影にも、すぐに応じてくださいます。とっても素朴な人情味深い人達ばかりです。温泉で、体ばかりでなく、とっても心が温まりました。
いよいよ、これで観光は最終です。夜は、ロシア風水餃子。中身は豚肉のようですが、これにサワークリームを付ける食べ方です。さっぱりとして、ツルっと喉に入っていく感じで、美味しくいただきました。
カムチャッカとも明日でお別れです。美しい手つかずの自然を満喫しました。私が小さかった頃に体験した山の生活が、今なおここに残っています。走っている車も電化製品も30〜40年前のものが、現役で使われているのが、凄いですね。もちろん新しいパソコンも自動車もありますが、庶民の暮らしはまだまだ貧しく、昔のままの生活が続けられています。心は、時代に奔走されずに、ゆったりとして、あくせくしない温厚な人々です。
これから、観光にも力を入れて、地球温暖化の影響もあり、加速度的に発展していくかもしれませんが、この「今あるがまま」を、残していただきたいと願います。ほんとに、50年前にタイムスリップしたような心持になり、無邪気な子供の心を取り戻して、ツアーの皆さんと楽しむことができました。
自然の美しさに感動し、本当に「心温まる素朴な旅」でした。