浩子の部屋

突然の裁縫迷人

日曜日の朝、主人がお気に入りのピンク色のシャツを出してきました。長年着用して、襟がボロボロになっており、「もう、捨てたらいいのに・・・」と思うくらいです。それで、2月のバレンタインデーに、当院スタッフにお願いして、同じピンク色のポロのボタンダウンシャツをもらっていました。それなのに・・・いよいよ、ミシンまで出してきました。

「えっ、ほんまにその襟を外して、裏返して付ける気なん??」
「まあ、任せなさい。好きでやってんねんから。」
「そんなボロボロを着て歩かれたら、ちょっと恥ずかしいから、止めて~!!」
「ええから、ええから、ほっといてくれや。俺はこれが着やすいから気に入ってんねや。」
「ええ~~っ、何考えてんのん?せっかくいいシャツもらったのに。頼むから、捨てて!!」

私が止めるのも聞かず・・・襟の部分の糸を解き出しました。ほんまに貧乏性というか、「もったいない」意識が強すぎるというか、諦めが悪いというか・・・はあ~~っ(嘆き)。
お金がないわけでもないのに、そこまでやる???
どうしても本気でやるつもりらしいので、私も見て見ぬ振りできず、ついに根負けして、襟の繕いを手伝うことになりました。

主人は簡単にできると思っているようですが・・・縫い針に糸を通すのも・・・
「いつも外科やってるから、糸を通すのは上手いねん。」
とは言いながらも、老眼なので眼鏡をかけていても通し辛い感じです。

主人が縫い始めたら、糸の玉結びが表に出てしまっているので、これでは無理だろうなと思い、
「ちょっとやり直ししたげるわ。こんな風にクロスして縫ったら、きれいになるよ。」
と、クロスステッチで破れ部分を繕いました。
「お前、こんな面倒くさいこと、ようするな。」
と言われているうちに、はい、出来上がり。

主人はミシンの糸を通し出しました。仮に縫ってみて、糸がうまくかみ合わないとブツブツ言っております。見てみると・・・糸の通し方が、そもそも間違っていて、ミシンが進まないのも当たり前です(笑)。きちんと通し直して、準備はOK。

今度は、襟と襟口を待ち針で合わせていきます。
「これでさっとミシンかけたら、終わりやな~。」
「ちょっと待って!!そのまま縫うのは無理よ。まっすぐだったらいいけど、襟はカーブしているから、まずは、しっかり糸で仮縫いをして、それからミシンをかけないと。待ち針だけだったら、また縫い直しになって、よけいに手間と時間がかかるわよ。」

「結構、面倒くさいもんやな。俺は、さっとミシンかけたらいいだけや、と思ってた。裁縫って、大変やな。洋裁の職人さんは、こんなことばっかり、ようやってるな~ぁ。」
と、ブツブツ独り言をつぶやいております。
なんか、疲れてきたわ。糸通すのも楽やないな。裏と表とがいっぺんに上手いこと、いかへんわ。」

「ちゃんと裏側も確認しながら、きちんと仮縫いしておくと、ミシン掛けがさっとできるねん。ここをさぼったら、結局時間かかるから、頑張ってや。」
やっと、仮縫いが終わったようです。ミシン掛けが始まりました。

「縫い初めは、バックから始めて、その上をもう一度まっすぐに縫うとしっかりするんよ。」
「このバックレバーを押しながら縫うんか?」
「そうそう、そこでまっすぐ引っ張って。ゆっくり手で回しながら・・・」
なんか、えらい汗出てきたわ。

冷や汗かきながら、なんとか調子よく行っているようです。ほんまにやれやれです。主人の趣味?に付き合うのも並大抵ではありません。(笑)

とりあえず、出来上がり!!主人はご機嫌です。結局、これを着て外へは出ないと言っておきながら、早速に着て外出しているのですから・・・
黙ってそっと捨てておけば良かった・・・と、今、反省しております(笑)。

よれよれが 体にピッタリ 沿う年頃・・・(苦笑)

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