2008年12月号

よくかんで食生活の豊かさを

食べ物をおいしく味わおう

食べ物をおいしく味わう感覚には味覚があります。
味覚は「甘味」「酸味」「塩味」「苦味」の4種類があり、中国ではこれに「辛味」を加えて五味といいます。最近では「うま味」も味覚の一つとして数えられるようになりました。
すべての食べ物の味は、このような味覚の組み合わせによってできています。

実際に食べるときはこれら味覚の他に、においを感じる臭覚、色を判断する視覚、温度や舌触りを感じる皮膚感覚などの総合的な感覚が加わって味を判断します。

時には、かみ砕くときの音さえも、味覚をつくる重要な要素になります。人によっては歯触りの良いものや、かみ応えのある食べ物を好む方も多いと思います。

食べ物は、よくかむことによて唾液の分泌が盛んになり味覚が促進され、かむ運動や飲み込む運動がスムーズに行われます。食べ物は人間にとって生命を維持する大切な栄養源であると同時に、食べ物独特の味を味わうことによって、食生活の楽しさ、豊かさを感じることができます。

もし、お口の中の清掃が不十分で虫歯や歯周病などの慢性炎症があったり、詰め物や入れ歯が合っていなかったりすると、味覚に異常をきたします。また、早い時期に歯を失ってしまうと、健康を損なうだけでなく、食べ物の味を味わえなくなり、人生の楽しみは半減してしまうのではないでしょうか。

皆さんも生涯、自分の歯で本物の味を愉しむことができるよう、健康な歯と歯茎を維持していきましょう。