いつも定期的に検診に来ていただいている、三井住友銀行の永井さん。20年ほど前に梅田北口支店に転勤して来られ、当院の担当でした。弟の歯科開業の土地購入時も、融資でとてもお世話になりました。それ以後、転勤されても、関西圏におられる時は必ず当院に検診に来ていただいております。
永井さんは、三井住友銀行の営業からたたき上げて、支店長にまで栄進され、最下位だった支店を全国表彰してもらえるほどに盛り上げ、繁盛支店に変身させる・・・まるで、魔法のように社員さんを育て上げる、名実とも「名上司」です。そして、3回の支店長歴と各店表彰を遂げられ、本店営業部長のあと、支店長を統括する京都北陸ブロック長として実績を積み重ねてこられました。
「出世街道まっしぐら」という素晴らしい方です。
全国最下位だった京都北陸ブロックも、昨年は全国1位のブロック表彰を遂げられ(ほんまに夢のような快進撃)、今年は難波ブロック長として赴任されています。
何故そんなことができるのか???
それは、固定観念にとらわれ、言い訳ばかりをたくさん並べている社員や支店長に、
「もう、言い訳はするな!!成績が悪いのなら、他の支店のやっている3倍から5倍の顧客に当たってみろ!!もっと親身になって顧客のことを考えろ!!顧客のつもりになって何をしてもらったら嬉しいかを引き出し、実現できるように即実行しろ!!」
と、おっしゃったようです。決して怒鳴るばかりではなく、営業から学ばれた極意を事細かく指示をされ、それを終始徹底して行うように配慮され、激励されたことと思います。
その素晴らしい対応は、私たちが日々学んでいくべきことだと感じます。人と同じことをしていては、いつまでも同じ待遇であり、まして、楽をして現状維持ということはまずあり得ません。人の2倍・3倍頑張るつもりで働き、顧客(患者)の為に頑張っていてこそ、自分が報われていくのだともおっしゃっていました。その通りだと思います。
そして、今日、歯科検診に来られたのは、
「実は、昨日退院してきたばかりなんですよ。」
「えっ?!どこが悪かったんですか?」
「胃癌で手術して、胃の2/3を内視鏡を操作しながら切除してもらったんです。」
「えっ、そんなふうに見えませんよ。とてもお元気そうですし、お顔の色艶もいいし。」
「そうですね。おかげさまでステージ1の初期だったようですが、大事をとって切除したんです。別に自覚症状があったわけでもないんですが・・・健診で胃潰瘍のようなものがあると言われ、造影剤を入れて検査したら見つかったんです。」
「お仕事の復帰は来週からですか?」
「いえ、この金曜日からです。」
「じゃあ、ほんとはオヤスミしておかれないといけないのに、当院に来てくださったのですね。大丈夫なんですか?」
「ええ、家でじっと寝ていることの方が辛いですからね。」
根っからの仕事人ですね。寝ていたら、頭の中でいろいろと考えが巡って苦しいのでしょう。よけいにイライラするお気持ちはよくわかります。でも、私と同様に、頭は回っても体は付いてきません。50代になったら、やはり「自分の体をいとう」ように警告(イエローカード)が来たと思うしかありません。
永井さんも、やはり不摂生が原因だとおっしゃっていました。アルコールは術後2か月間は厳禁。これからは飲む量と機会を減らして、健康生活を送るように心がけられることと思います。私も2年前の術後は、ビールを止め、焼酎のお湯割りでちびちびと始めていました。今では、またビールをいっぱい飲んでますけど・・・(笑)。
「一病息災」とはこのこと。病気を経験することで、生活習慣を見直し、無理をしない健全な生活を送るように気を付けるのですよね。
癌にもいろんな種類があります。進行の遅い「癌もどき」ならば、心配する必要もありません。心配をしすぎる方が、体に悪い。人生、前向きに明るく明るく!!
癌を経験することで、人間がより強くなると思います。
だれですか?これ以上強くなったら困る・・・といっている人・・・(苦笑)