母校の先輩から、清酒が送られてきました。開けてみると・・・
「えっ、こんなにいっぱい?!」
スタッフの皆にもということで、贈ってくださったようです。ほんとに、お心遣いが嬉しいですね。「奈良の八重桜」と命名された上品なパッケージに入った、女性向けのお酒。
実は、このお酒は、奈良女子大学創立100周年記念プロジェクトの一つとして始められたようです。奈良市にある今西清兵商店と、奈良女子大学生物学科学生と、奈良県工業技術センター研究員が加わって、奈良県花であり奈良女子大学の学章にデザインされている「奈良の八重桜」から清酒酵母を分離して培養しようという「夢」を実現したそうです。パッケージやしおりのデザインは、もちろん奈良女子大学担当。
桜から採った酵母でお酒を作る・・・なんて、ロマンに満ち満ちているのでしょう。女性にとって、「桜」は、しかも「八重桜」は、華やかで清楚で美しくて魅了される、憧れの花です。その魅力的な花から、酵母をとり出して清酒づくりをする。ほんとに素晴らしい発想であり、ここに至るまでの皆さんの必死で地道な努力の賜物であり、結晶であると思います。
一口、心していただきました。とってもまろやかで、甘味があります。桜をお酒にするとこんな感じなの?・・・ふわっと、桜の花びらを思い浮かべながら、お酒の奥行きある旨味・甘さとほんのりとした花の香りを、ゆったりと味わいました。コハク酸やリンゴ酸が多く含まれているそうです。
微生物の中の酵母から、アルコール生成能力があり、酒蔵で他の酵母と敵対せず、何世代にもわたり形態を変えない安定性を持ち、しかも「旨い」味を造り出す清酒酵母を分離することは、天文学的な確立であるとさえ云われているようです。そんなに貴重な酵母を、こうして清酒として味わうことができる私は、なんて幸せなのでしょう!!
こんなプロジェクトも知らなかった私に、素晴らしい贈り物をいただき、感謝のこころでいっぱいです。そして、あの有名な和歌と相まって、古き良き時代に思いを馳せることができますね。
『いにしえの 奈良の都の 八重桜 けふ九重に にほひぬるかな』
「奈良の八重桜」というのは、奈良周辺に咲いている八重桜という意味ではなく、れっきとした八重桜の一品種なのだそうです。可憐に楚々とたおやかに咲いている八重桜を思い浮かべてくださいね。
いにしえの 奈良の清酒の 八重桜
けふこの頬に にほひぬるかな(歓喜)