浩子の部屋

石油高騰のあおりで

石油高騰のあおりで、10月から、電気代や食料品の値上げが相次いでいます。
歯科の保険点数も今月から改正され、金属代が上がっています。
保険診療では、パラジウムという金属が使われていますが、昨年末より値上がりし、仕入値が高く困っておりました。


やっと、石油の値下がりとともに、金属代も値下がりしてきたところですが、保険点数は来年の4月まで改正はありません。患者様には、今まで以上に負担が大きくなって、ほんとに申し訳ないことだと思っています。
冠やブリッジは金属の使用量も多く、今日も、上下ブリッジを装着した男性の患者様が、
「ほんまに、保険が効いてるんですか?」
と、受付で尋ねられました。
「申し訳ございません。保険で決められたことですので、負担金が多いのですが、ご理解くださいねぇ。」
と、説明させていただいております。
集中治療されている患者様には、治療費全体でいくらかかるかの目安をお伝えしています。1ヶ月に負担額の多い方は、治療期間を延ばされたりして、毎月の支払額を抑えていらっしゃる方もあります。
「そんなにかかるの?!嫁はんに説明して、もらって来なあかんなあ。ちゃんと領収書を書いといてや。」
「オカミサン申告ですね?」
「せやねん(そうなんです)。飲み代やと思われるからなあ〜。男はつらいわぁ。」
こんな会話が出来る方は、まだいいのですが・・・
食費もままならぬ方もいらっしゃるので、歯抜けであろうが、当面の痛みだけを抑える治療や抜歯のみをされる方も多い昨今です。
窓口では、皆様の懐具合が、手に取るように見えてきます。世の中の不況の波も、同時に患者心理に影響を受けるようです。
現在、不動産や建築関係の会社倒産が相次いでいるようですが、大阪では特に中小企業の製造業の倒産が多く、まだまだこれから増える状況にあるということを聞いています。世の中の金回りが悪くなると、あらゆる会社が影響を受け、不況は一層深刻化していきます。
当院の患者様の中にも、歯を治したいのに金銭面で辛抱されている方も増えています。
「食べる」ことは、生きることです。飲み込むだけの食事では、栄養は摂取しても、脳への刺激も少なく、満腹感や満足感が得られにくいと思います。
少しずつでも、歯を治して噛めるようにし、たとえ御馳走でなくても、味わい深い美味しい食事をしていただきたいと願うばかりです。
こんな暗い話ばかりしていても、ちっとも楽しくありませんよね。
物価が高くても愚痴を言わず、もったいない精神を発揮し、少しの「しまつ」をして、毎日を「平凡」に暮らせることをありがたいと思えるようにしていきたいですね。
皆様の「小さなしあわせ」をお祈りしています。

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