「今日は何の日?」・・・理絵先生がベビーカーに載せてきたのは、赤ちゃんならず・・・双子の「赤いちゃん」。実は、消火器です。しかも、たった今、北消防署から借りてきた消防訓練用の「ニセモノ」です。中には、水が入っているというのです。防火管理者の理絵先生も、どんな準備をしたらいいのかもわからず、消防署の方が来られるのを待ちました。
診療所の前に、小型の消防自動車が止まりました。北消防署・大淀町出張所から、4人の消防士さんがやってこられました。
「全員集合してくださ~い!!」と、1階に集まります。
理絵先生がかぶっているのは、所長さんから写真撮影用に借りた帽子です。お役目、ご苦労様です。ちょっと、皆が緊張気味です。
所長の赤嶺さんより、今日の訓練の大切さや役割分担、訓練の手はずなど、お話いただきました。
一応、出火元は3階のスタッフルームのガスコンロと設定。火元発見者は、館内放送にて、すぐに連絡する。受付担当者は、それを受けて119番に通報。実際は、来ておられる消防士さんが、電話口の対応をされます。所長は、子供の患者に成りすまし、どこかに隠れているのを、スタッフで探し当てるという設定。
「では、よ~い、スタート!!」
みんなが、1階や2階で通常通り仕事をしているという状態にします。
そこへ、館内放送。
「3階のガスコンロが燃えています!!」
消化活動をする人以外は、まずは患者さんを屋外に出さないといけません。そうそう、隠れている所長さんを見つけ出さないと・・・あわてて、みんな、2階を探します。1階では、受付で119番に通報しています。
なんか、あっという間でしたが、結果的には、自分の役割が何であるかを認識もできず、こんなんでいいのかと慌てふためいただけでした。頭の中で考える消防訓練と現実には、かなりの開きがあり、本当にしっかりと役割分担し、責任の所在をしっかりとしておかなければいけないと感じました。
「所長さんが隠れているのを探すの、すっかり忘れていたわ~。」
みんなで大笑いです。所長さんいわく・・・
「僕の存在がよっぽど薄かったのか、それとも、みんな自分の命がそれほど惜しいのか?」
訓練だから笑い事で済みますが、本当だったら、えらいことですね(大爆笑)。その後、所長さんから、大切なことをもう一度、しっかりと説明していただきました。
① スタッフの役割分担をし、責任者を決めておく
救護・救助班、消火班、通報班、避難誘導班
② 火元発見者は、すぐに館内通達する
③ 消火器をすぐに取り出し、消火活動に当たる
④ 119番に通報する
⑤ 患者さんは、必ず屋外の安全なところに避難誘導する
⑥ 倒れているなど、逃げ遅れが無いか、しっかり確認する
最後に、消火器の使い方の指導をしていただきました。そして、実際に診療所の前で、水の入った消火器で、放射を試させてもらいました。
① 消火器を火元まで運ぶ
② 安全栓を抜く
③ ノズルを取る
④ ノズルを火点に向ける
⑤ レバーを強く握る
⑥ 放射する
みんな、水撒きするかのように、楽しそうにやっています。
特に、院長と理絵先生は、遊び感覚のこの笑顔です。
江上家の血筋ですかね~。(笑)
無事に訓練全過程を終了しました。約30分ほどでしたが、とても濃い充実した内容でした。
このような消防や防災シュミレーションをしておくことは、とても重要であると感じました。危機感と隣り合わせにいることが、自分や周囲の命を守ることになるのですね。
防災は 忘れず復習 即行動