例えば、神経除去と根管治療のケースで、上下がかみ合う面に深く大きな穴があいているとします。この仕上げの修復は・・・?となると、「詰める」か「かぶせる」かしかないわけです!
修復は本来歯科医師まかせです。歯科医修行の大きな部分だし、方式もすごくたくさんあります。患者さん側の見当外れの願望は、ときに歯の長持ちに不利になります。でも根管治療後の修復は、歯科医師にも異見が多いものなので、患者さん側も知っておいた方がいいと思います。
神経を抜かない虫歯なら、削った部分にプラスティックを埋めるか、穴の型に鋳込んだインレーをはめ込みます。「詰める」とか「詰め物」と言われる修復ですね。ですが、神経を失い根管治療を施すと、歯の中心部が縦に大きな空洞になり、歯がもろくなります。そこで強度を保つため、鋳造して作る冠(クラウン)を歯全体にかぶせるのが原則になります。ところが、この冠には欠点があります。冠をかぶせた歯を元の歯と同寸法におさめるため、鋳造する冠の厚みだけあらかじめ歯の表面をぐるりと削ります。このため、表面を覆っている虫歯防御の主役のエナメル質が削り取られ、虫歯の危険が増してしまうのです。また、根元までかぶせると、歯周病(歯槽膿漏)の歯磨きにも不利になります。
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