古くからの映画ファンならご存知かもしれませんが、名画「カサブランカ」の中で、ハンフリー・ボガートがイングリッド・バーグマンに「10年前、キミは何をしていた?」と問いかけると、バーグマンが一瞬の間の後「歯を矯正していたわ」と言って微笑むシーンがありました。
このシーンは欧米人の歯に対する意識を象徴しているといえるでしょう。彼らにとって、歯は大切な身だしなみであり、歯並びの良さは育ちの良さをあらわすのです。アメリカでは、太った人・タバコを吸う人は出世できないと言われますが、同じように歯並びの悪い人も育ちが悪いということで、エリートとは決して認められないといいます。
日本が生んだある大スターは、ハリウッドに進出を試みたようですが結局、数本の映画に出演しただけに終わりました。その原因は、歯にあったとも言われています。彼は見事な程の「乱ぐい歯」だったために、ハリウッドでは相手にしてもらえなかったというわけです。
ホンダの創業者、本田宗一郎氏は、ホンダの海外拠点のトップを日本に呼び戻して、彼らに歯の治療をさせたそうです。欧米でのビジネスを成功させるためには、歯の身だしなみが不可欠だということに気がついていたのでしょう。
歯が汚い、歯並びが悪いというだけで、教養や人格が疑われ、欧米人のエリート達はビジネスでもプライベートでも本気で付き合おうとはしてくれません。国際人であるためには、歯がポイントになるのでしょう。
日本人は海外へ行くとなると、英語を重視したりブランド品などファッションに目がいってしまいがちですが、そこで暮らす人たちにように、口もとを清潔で美しくし、歯並びを整えることも大切なことのようですね。
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