2002年1月号
根の病気と治療について!~根管治療ってなに?~
根の治療をする時は、主に2つの場合があります。
歯髄炎(しずいえん)の場合
虫歯を放っておくと、深くまで進み神経=歯髄に達して歯がしみたり痛んだりします。これを歯髄炎といいます。歯髄が細菌に感染してしまったということです。
- 虫歯が歯の神経まで到達している状態
- 虫歯を取り除きます
- リーマーという器具を使って、歯の神経を取り除きます(※1)
- 神経の入っていた空洞をガッタバーチャという薬で封鎖します
- 土台を入れて補強します。その後、型取りをします
- できあがったかぶせを調整します
- 歯科用セメントでセットして治療が終わりです
※1(治療毎に歯の中に消毒の薬をいれます)
根尖性(こんせんせい)歯周炎の場合
虫歯や打撲などによって神経が死んでしまった時、根の治療を途中のまま期間がたってしまった時、以前に神経をとっている歯が何らかの原因で感染を起こした時などに、根の先端(根尖)に膿がたまってきます。このまま放置すると、だんだん痛くなってきます。
- 根の先にウミがたまっている状態
- リーマーという器具をつかって、歯の中にはいっている古い薬をとりのぞきます(※1)
- 状態がよくなったら歯の中の空洞をガッタパーチャという薬で封鎖します
- 土台を入れて補強します。その後、型取りをします
- できあがったかぶせを調整します
- 歯科用セメントでセットして治療が終わりです
以上のように、虫歯菌が感染した神経や腐敗物などの感染源をきれいに取り除くためにリーマーという器具をつかって、根管内を内部から拡大清掃しきれいになった根管内をガッタパッーチャなどの根尖材(根管内を埋める薬)で封鎖していくことが根の治療です。 根管は充分に消毒された後、完全に封鎖されることにより細菌の感染から守られます。根管は非常に細くカタチも複雑なため、この治療には大変な時間と労力が必要です。歯を長持ちさせるためには、決してかかすことのできない重要な治療なのです。
できるだけ歯を抜かない治療をすすめておりますが、そうなる前に定期的な検診をうける習慣をつけましょう。