2003年4月号

”スローフード運動”とは?~ファーストフードに対抗!~

スローフード運動の起源?

スローフード

スローフードは1986年にイタリアで起こった運動です。マクドナルドの第1号店がローマに進出したときに、ローマの人たちはみんな「とんでもない」と反対しました。それでなくても手作りのものが減ってきて「子供たちがみんなこんなものを食べるようになったらエライことだ!」というわけです。結局マクドナルドはできてしまった訳ですが、北イタリアのトリノ近郊にあるブラという村があって、その村の新聞を書いていた人たちの周りにみんなが集まり、ファーストフードに対抗してスローフードをいう言葉をつくったのです。

スローフード宣言

のちにこの運動は、3年後の1989年にパリに出てスローフード宣言を行いました! その内容は主に3つです。

  • 消えていく恐れのある伝統的な食材や料理・質のよい食品・ワイン(酒)を守る

    日本のお漬物をご自分のご家庭でやっている方は少なくなってきました。漬物に関しては売られている漬物の90%が味付け野菜なのです。ところが本来のお漬物は、ぬけ漬けなどが代表的ですがあれは実は乳酸菌発酵です。それで初めて酸味がうまれるのです。日本人のいわゆるDNAにぴったりなのがお漬物の乳酸菌なんです。ヨーグルトのビフィズス菌よりこの方がよっぽど便秘を防ぐものなのですが・・・日本人の最高の薬といってもよいくらいです!しかし現在ではそういうものは少なくなってきました・・・

  • 良質な製品を生産している人を、われわれ消費者は助けましょう

    この最近「○○さんがつくったトマト」「○○××さんがつくったイチゴ」などの生産物をインターネット等でよくみかけますが、まだまだ価格が高いですね!ヨーロッパでは40年くらい前からああいった生産者表示がたくさんありましたが、15~16年前から「みんなでアレを買ってあげよう」といって買うようになってから計画生産ができるようになり、価格が安くなったのです。日本でもぜひ実施して欲しいですね!

  • 味覚教育の推進

    子供たちを含め、消費者に味覚の教育を進めることです。小学校でみんなにチーズ・野菜・果物・魚・肉とかちゃんとしたものを持ってこさせ、目をつぶってそれを触らせたり、匂いをかがせたりして当てるゲームをやっています。日本ではなかなかみられないですね~

歯科医師にできること

食育

食育ということを考えると、歯科医師は美味しくたべるムードづくりをする、美味しく食べられる丈夫な歯をつくる、そういうことからサポートしていきたいと思います。むし歯や歯周病は早期発見・早期治療をしていき、できるだけ長く美味しい食事ができるように心がけてみることも立派なスローフード運動の一環かもしれませんね!