2007年12月号
PPKのための口腔ケア
「ピン・ピン・コロリ(健康で長生きしてコロリと死ぬ)」という意味です。この言葉は、長寿県でありながら高齢者の医療費が最も低い長野県から広がっています。
PPKのためには、寝たきりや認知症にならないことに加え、生活習慣病の予防が必要です。これらには、歯や口腔の健康も非常に大きく影響することが最近の研究で明らかになってきました。
高齢者の口腔内が清潔に保たれていない場合や義歯の洗浄が不十分な場合、雑菌が肺に入り込んで不顕性肺炎となって入院を余儀なくされることはよく知られています。
2007年5月に宮崎市で開催された日本プライマリ・ケア学会では、歯周病を持つ患者さんは心疾患による死亡、心筋梗塞の発作をおこす危険率の高いこと、さらに、糖尿病患者では歯周病から発生する炎症物質の影響で糖尿病の症状が悪化すること、歯周病によって低体重児出産の危険性が増すことなどについて発表がありました。
また、静岡県にある静岡がんセンターでは、がん患者の口腔ケアを通じて入院日数や手術後に口から食事ができるまでの日数を大幅に短縮させるなどの成果を上げています。
超高齢社会をむかえるにあたって、小児期からの口腔の健康が大切です。