2008年6月号
子供の脳力をアップする「歯育」
食事をおいしくとるためには、まず健康な歯があってこそ。子どもに正しい歯のケアを教えることは食育にもつながるのです。
子どもの脳力をアップする「歯育」って何?
おいしく食べるためには、まず健康な歯がある事が大切。食育の観点からも、いま歯育が注目されています。
歯育を始めるのはいつから?
お母さんのおなかにいるころからスタートしています。
乳歯の芽といえる「歯胚」は、妊娠7週目ごろにつくられ始めます。妊娠中の食生活は、子どもの歯の性質の強さや味覚の形成に大きな影響があるのです。
例えば、日本人に不足しがちなカルシウムは赤ちゃんの歯をつくるために必要な成分。歯の石灰化を防ぎ、丈夫な歯をつくります。
緑黄色野菜や小魚など自然の食品から摂取して。また、妊婦に歯周病がある場合、早産・低体重児のリスクが高くなることもわかってきています。
なぜ、子どもたちに歯育が必要なの?
むし歯予防だけじゃない!歯育の注目効果
しっかりかむことで脳の発達を促す
昔の食事に比べ、現代の食事はやわらかいものを食べる機会が多くなっており、子どもが食事中にかむ回数も減少傾向に。
しっかりかむことは脳の血流量を増やして、脳の発達を促す作用があることがわかってきています。“勉強しなさい!”と詰め込む前に、しっかりかむことの大切さを教えてあげてください。子どもの学力向上のためにも健康な歯である事が大切なのです。
キレイな歯並び・正しいかみ方で美しい笑顔をつくる
歯がきれいに並ぶあご(歯槽骨)の状態は、シンメトリーの顔をつくり、子どもの美しい笑顔をつくります。骨格は遺伝する可能性もありますが、バランスよくかむことで口の周りやあごの筋肉のつき方のバランスが整ってきます。また、片側だけでかむなどのかみグセがあると、そちらの歯がすりへってしまい、かみ合わせが悪くなることも。からだのゆがみにの原因にもなります。
肥満や全身の病気の予防にもつながる
歯周病は心臓病のリスクを高めるなど、口の中の健康状態が全身の健康に関わることがわかっています。歯はいちばん最初の消化器官。食べ物をしっかりかむことにより、だ液の分泌が促され、免疫力もアップ。食道から胃腸での消化を助けます。また、食事でよくかむことは、脳の満腹中枢を刺激して、肥満を予防する効果も。ひと口30回を目安にかむとよいでしょう。