2009年3月号
むし歯は予防が肝心
~むし歯になりやすい人ってどんな人?~
むし歯の原因菌はミュータンス菌。乳幼児期にこの菌に感染しなければ、成人後もむし歯になりにくいといわれますが、大部分の日本人の口腔内にこの細菌は存在します。
ところが、この細菌に感染していても、むし歯になる人と、ほとんどならない人がいるのです。次にあげる人は特にむし歯になりやすいので、より徹底したむし歯予防が必要です。
- 歯並び・かみ合わせの悪い人
歯並びがでこぼこしているので歯間にプラークが残りやすくなります。 - 歯をみがかない人・みがくのが下手な人
プラークが残り、口の中の細菌が増えやすくなります。 - 唾液量が少ない人・唾液中に細菌に対抗できる物質(抗菌物質)が少ない人
歯の浄化作用や、歯を保護する作用が働きません。 - 間食の回数が多い人
いつも口の中が汚れていて細菌が増えやすくなります。
むし歯予防の基本もプラークコントロール
むし歯をなくすには、ミュータンス菌を口の中からなくすことと、歯を溶かす活動ができないようにすることが基本です。
次のような心がけでむし歯を予防しましょう。むし歯になりやすい要因がある人は、特に力を入れて予防に励んでください。
- 食べたらみがく
毎食後歯をみがき、プラークコントロールを忘れずに。歯科疾患の予防にはプラークコントロールが不可欠。プラークを減らし、口腔内の悪い細菌をおさえるという点では、むし歯予防も歯周病予防も同じです。 - 歯科で定期健診を受ける
新しくできたむし歯やみがき残しがないか、チェックを受けましょう。 - フッ素化合物で歯を強化
歯科医院で定期的にフッ素化合物を塗布してもらうと、歯の表面が強化され、むし歯の原因菌が酸を出しても比較的溶けにくくなります。フッ素化合物配合の歯磨き剤を使うことも、もちろん効果的です。 - 砂糖を減らす
できるだけ砂糖を含む食品をとらないようにし、とった場合でもすぐ歯をみがきます。どうしても甘いものが食べたいのであれば、砂糖のかわりにむし歯になりにくい甘味料(キシリトールなど)で代用するとよいでしょう。 - よくかんで唾液を出す
唾液がたくさん出ることにより、口腔内の浄化作用や、歯を丈夫にする作用が期待できます。食事のときには唾液がたくさん出るよう、よくかんで食べましょう。 - 間食を減らす
間食を減らし、食事と食事の間隔をあけましょう。何も食べていないときは、口の中は自然に分泌される唾液で潤され、その浄化作用で細菌の増殖がおさえられます。 - からだ全体の抵抗力を高めよう
歯周病予防と同様、疲労や体力低下、ストレスなどで身体が弱ると、免疫力が低下して口腔内の細菌が増えやすくなるので、とくに注意しましょう。
「ハードスケジュールのときほどよく歯をみがけ!」を忘れずに。