2011年10月号

食いしばりは歯を弱めます

食いしばり

私たちは、ストレスを受け続けると就寝中に歯ぎしりをしたり、無意識のうちに歯を強く食いしばったりすることがあります。

歯はとても頑丈にできていて、多少圧力がかかっても、欠けたり、折れたりすることはありませんが、歯ぎしりや食いしばりが習慣化すると歯のかみ合う部分が磨耗します。 人間のかむ力は女性で40kgぐらい、男性では60kgぐらいで、なかには100kgを超える人もいます。これだけの負荷が長時間かかれば、歯がダメージを受けるのも無理はありません。

歯ぎしりは食いしばりで歯がすり減ると、歯のすきまには歯垢がたまりやすくなります。さらにストレスがかかると、唾液の分泌量が減り、ドライマウスになりがちです。みなさんご存知の通り、唾液には虫歯の予防や、歯の再生という重要な役割があります。
歯垢の増加とドライマウスが重なれば、虫歯や歯周病にかかるリスクが一気に高まってしまうでしょう。

特に気をつけなければいけないのは、食いしばり。専門的に言えば、「クレンチング」です。歯ぎしりは音がするのに対し、クレンチングは歯をずらさないので、音がしないという特徴があります。クレンチングを続けていると、虫歯や歯周病だけでなく、顎関節症や嚥下障害を招くこともあります。

心身のリラックスとともに、口を閉じているときに上下の歯が接触しない状態を心掛ければ、クレンチングの予防になりますが、以下の項目に心当たりのある人は、早めに歯科医を受診されることをおすすめします。

  • 歯のかみ合う部分が磨耗して平らになっている
  • あご間接を押すと痛みがでる
  • 舌の両ふちに歯形の後が残っている
  • 冷たい水が歯にしみる
  • あごのエラの部分が張っていて、押すと痛い
  • 肩こりがする