2012年1月号

美味しさと唾液の関係

美味しく食べよう

わたしたちは、「味」「香り」「湯気」「音」「環境」などを通じて美味しさを感じています。
つまり五感で「味わう」という行為をしているのですが、その基礎になるのは、やはりお口の健康。

歯があってはじめて、かたいものを細かく噛み砕き、飲み込むことができます。
また、食材の噛みごたえや、パリパリ、サクサクというような咀嚼音といった楽しみも、健康な歯があってこそ。

しかし、ここで注目したいのは、唾液の役割です。
唾液は消化酵素で食べ物を消化しやすくするだけでなく、味の刺激を適度に緩衝する役割もはたしているのです。病気などで唾液の分泌量が減少した状態で、辛いものや酸っぱいものを取ると、唾液の緩衝がないため、刺激がダイレクトに伝わり、痛いと感じてしまいます。
つまり唾液があるからこそ、過剰な刺激が適度に中和され、それを舌にある味蕾細胞が受け取り、美味しいと感じることができるのです。

お口の健康を維持するには、毎日の歯磨きは欠かせません。
歯磨きには口のなかを清潔に保ち、虫歯を防ぐだけでなく、ブラッシングの刺激により唾液の分泌が促されるという効果もあります。

歯磨きをするときに、歯だけでなく、舌も磨いてください。 電動歯ブラシをお使いの方なら、歯茎や唇、上あごにも当ててみましょう。 唾液がたくさん分泌されるようになります。同時に適度な刺激が血流を良くし、新陳代謝を活発にしてくれます。 口が渇きやすい方には、食前のブラッシングもおすすめです。唾液の分泌がよくなり、食事をより味わえるようになります。