2013年3月号
歯科用CT
最近、一般の歯科診療所でも画像診断には歯科用CT(コンピュータ断層撮影)が用いられるようになってきました。
この普及の背景には、歯科用CTが被ばく線量を限りなく低く抑えられるようになったことが大きいのです。
被ばく線量は、胸部エックス線が50マイクロシーベルト程度であるのに対して最近の歯科用CTでは69マイクロシーベルトで、医科用CTの50分の1以下と、非常に安全な被ばく線量に近づいています。
歯科用CTによって、顎の骨の中の状態を細かく精密に確認することができます。
従来のエックス線では1本に写る歯根も、実際は内側、外側と2本あります。
歯科用CTでは、複雑に曲がる歯根やその中にある歯髄の形状も、どの方向に曲がっているかも確認できますし、うみができている部位腫瘍の大きさも正確に確認でき、顎の中に埋まったままの親知らずの抜歯にも大変有効です。
また、子どもの撮影には賛否両論あるかもしれませんが、歯並びの状態を歯が生える前に確認することができますので、矯正歯科の診断には欠かせないものです。
何より歯科用CTが優れているのは、3Dの立体画像で顎の骨や口腔内を再現できることです。
当院では、歯根嚢胞や重度の歯周病の患者様にご自身の口腔内の3D立体画像を見ていただき、歯槽骨の状態を確認していただけるようにご説明しております。
セカンドオピニオンを求めて来院される患者様には、即日にCT撮影をして、ご納得いただいております。
治療の前に、まずは正確な診断が重要です。
なお、病状により保険での適用も可能になっております。