2013年12月号

口臭が気になる方へ

口臭イメージ

口から吐き出される悪臭の総称が「口臭」で、「生理的口臭」「病的口臭」「外因的口臭」「心因的口臭」の4つに分けられます。

「口臭」とは、本人あるいは第三者が不快と感じる呼気の総称です。 「口臭症」とは生理的・器質的(身体的)・精神的な原因により、口臭に対して不安を感じる症状です。(日本口臭学会ガイドラインより)

まず生理的口臭とは、寝起きや空腹時、ストレスなどの生理的な理由や加齢によっても発生するもの。
病的(器質的・身体的)口臭とは、口の中や体の病気に由来するものです。
ニンニクやネギなどニオイの強い食品を食べたり、喫煙したときに発生するのが外因性口臭。そして、本人は口臭があると思い込んでいるけど、実際には認められないのが、心因性口臭です。
生理的口臭や、病的口臭の発生原因は、その約8割以上が口の中にあるといわれています。

口の中の食べかす、はがれた粘膜などのタンパク質を細菌が分解することで口臭が発生します。これらを予防するためには、口の中の汚れや細菌を少なくすることが大切。

口の中を清潔に保つようにしましょう。また、入れ歯による口臭もあるため、普段から「入れ歯洗浄剤」でこまめに洗浄し殺菌するようにしましょう。ただ、どうしても気になるときは、口臭外来などの専門の診療科があるので、受診したほうがいいでしょう。

●どうしても飲む必要がある場合は時間をおいて

口臭の原因別対策
  • 舌苔が原因 ↓

    気になる人は1日1回ケアを!
    健康な人の舌は、ピンク色に白い粒々が付いたような状態ですが、人によっては舌の中央に白や黄色の苔のようなかたまりがつくことがあります。
    歯垢と同じく細菌のかたまりなので、口臭の原因になります。また、抗生物質など薬の影響や糖尿病などの病気によって、色や量が変化していきます。気になっても、ハブラシやタン(舌)クリーナーで無理やり擦らずに、お口の中の環境を整えて、まずは細菌の繁殖を押さえるのが大切です。傷のかさぶたのようなものですから、歯科医院にかかってしっかりと原因を取り除き、自然にはがれるのを待つようにしましょう。またリンス剤などを使用し、お口の粘膜ケアを続けましょう。

  • 唾液の減少が原因 ↓

    口のうるおいを保つように!
    口の中は唾液によって自浄作用が働いていますが、唾液が少なくなると口の中が渇き、粘膜の剥離したものがたまったり、細菌が増殖しやすくなるので、口臭の原因となります。
    界面活性剤(合成せっけん)の入っていない歯みがき剤を使って粘膜ケアをしたり、こまめに水分を摂るなど、口のうるおいを保つようにケアを心がけましょう。

  • 歯周病やムシ歯菌が原因 ↓

    なにより治療を優先させて!
    歯周病が原因で、口臭が強くなることがあります。また、ムシ歯が重症のときにも、口臭を発生する場合があります。歯みがきによるケアはもちろん、歯科医院できちんと治療をしてもらい、いやな口臭を元から断ち切りましょう。

  • 歯垢が原因 ↓

    口の汚れをほおっておかないこと!
    歯垢の中の細菌が、食べかすなどのタンパク質を分解して、口臭を発生させます。歯垢による口臭を防ぐには、歯ブラシのみで(歯磨き剤を使用せず)なにより丁寧な歯磨きを食後に行うこと。また、入れ歯やブリッジは汚れがつきやすいので、きちんと清掃するようにしましょう。

  • 食べ物が原因 ↓

    時間がたてば、自然と消えます!
    ニンニクやニラ、ねぎなどに含まれるニオイ成分は胃で消化されたあと、血液によって体内をめぐり、肺を経由し、口臭となって吐き出されます。また。アルコールは分解される際にニオイを発生します。多くは時間とともに消えますが、気になるときは洗口液や口中清涼剤などを使いましょう。

  • 全身の病気が原因 ↓

    まずは根本的な治療を
    たとえば糖尿病の人は、特有な口臭があり、ほかにも胃腸や呼吸器、鼻疾患など、全身の疾患が原因で発生する口臭があります。病気によって、ニオイの種類も変わりますが、いずれも口の中を清潔にするだけではニオイを取り除けません。根本的に病気を治すため、医療機関へいきましょう。

●口臭は1日の中でも変化します!
口臭の強さは1日の中でもさまざまに変化をします。たとえば起床時(モーニングブレス)や空腹時(ハンガーブレス)は唾液分泌が減少し、細菌が増殖した状態になり、口臭が強くなります。また、ストレスや緊張時にも唾液の分泌量が低下し、口臭が強くなります。

口臭にはどんな原因があるのかを把握し、予防策を身につけましょう!