2015年1月号
口から始めるメタボ対策
メタボと略されるメタボリックシンドロームは、内蔵脂肪の蓄積が主体で、動脈硬化や糖尿病につながる生活習慣病を引き起こすようです。
現在、メタボの診断基準では内蔵脂肪の蓄積が必須条件で、腹囲(へその高さでの腹周り)が男性で85センチメートル以上、女性で90センチメートル以上されています。
そして、血圧、空腹時血糖、血中脂質(中性脂肪、HDLコレステロール)のうち、2項目以上に異常が認められるとメタボと認定されます。
メタボや肥満ののある人には、歯周病がひどくなる傾向があります。具体的には歯ぐきがよく腫れています。また、血糖値の高い人では、歯の数が早く減ること、歯周病が早く進むことがはっきりしています。腫れている歯ぐきを改善すると血糖値が下がることもあります。。逆に血糖値が改善すると歯周病が軽減してくることも見られます。
肥満解消への一番のお勧めは、食べ方の改善です。しっかり噛んで食べることは、満腹感が早く生まれ、食べる量の減少と全身の筋肉を使うエネルギーの消費につながります。
食物は歯で噛み砕かれ、唾液をはじめ多くの消化酵素や胃腸の働きで消化されて少しずつ吸収されます。しかし、砂糖のように消化が不要な食材は、すぐに血液内に運ばれるので体に多くの負担がかかります。噛むために必要なものは、健康な口で、歯並び・かみ合わせが大切です。歯が抜けていたり、ぐらついていたりするのも好ましくありません。きれいにかみ合っていないと効率が悪いですね。
噛むことは、小さいころから培われてきた基本的な生活習慣です。子どもにしっかり噛ませるためには、『良い手本』を周囲の大人が見せることが大切です。食材を選んだり調理方法を考えたりして噛む習慣をつけましょう。これが将来のメタボ予防につながります。