2016年4月号

クレンチングをやめるための訓練法

200208-3~無意識のくいしばりも意識して改善できる~
団体旅行した時など、同室になった人にいびきや歯ぎしりを指摘された経験はありませんか?
歯ぎしりの力は、起きている時に思い切り噛む力より大きく、歯と歯周組織の許容限界を超えるとも考えられます。
歯をずらさずにくいしばるクレンチング(無意識のくいしばり)も同様です。
ストレスを受けると、無意識にクレンチングをするようになり、歯と歯周組織に耐えられないほどの大きな圧力がかかります。
歯の痛みや、歯の揺れが気になる時、原因は無意識に行うクランチングの疑いがあります。
クレンチングする筋肉は、本来、自分の意志でコントロールできますが、自分の意志と無関係に緊張するようになってしまった場合、訓練が必要になります。以降、その訓練法を挙げました。興味のある方は取り組んでみてください。

クレンチングをやめるための訓練法
①「唇を閉じて上下の歯が接触しない状態を保つ」を常に思い起こし、実行する。
②ストレッチ運動をする。筋肉をリラックスさせるよう、力を抜いて筋肉をほぐすように伸ばす。
③手を思い切り伸ばして緊張させてから一気に脱力させる。肩を上に上げられるだけ上げて、一気に力を抜く。
④自律訓練法を習得する。
●自律訓練法の手順
①薄暗い静かな部屋でくつろいだ姿勢をとる。
②ゆっくりを4~5回、腹式呼吸をして気持ちを集中させる。「気持ちが落ち着いている」この言葉を心のなかで4~5回、ゆっくり繰り返す。
③聞き手に意識を集中させて「重くダラーっとした感じがする」と心の中で唱える。続いて、左手→右足→左足と同じ言葉を唱える。
④②の自律訓練法を繰り返す。
⑤利き手に意識を集中させて、今度は「利き手が温かくなる」と心の中で唱える。続いて、左手→右足→左足と同じ言葉を唱える。
⑥②の自律訓練法を繰り返す。
⑦そのまま眠りにつく時以外は、大きなのびをして気分を現実に戻す。
毎日①~⑦を2~3回(1回あたり約5分)続ければ、2~4ヶ月で習得できるようになるでしょう。

歯ぎしりには3タイプが!
グランディング:上下の歯をギシギシとこすり合わせるタイプ
クレンチング:歯を強く噛みしめたり、くいしばるタイプ
タッピング:歯をカチカチとすばやく合わせるタイプ

こんな悪影響も!
●全身への影響::肩こり、頭痛など
●顎への影響::顎関節症の悪化
●歯ぐきへの影響::歯周病が進行しやすくなる。
●周囲への影響::周りで寝ている人が迷惑する。
●歯への影響::歯が削りたり割れたりする。