2018年2月号
その痛みは噛み締めが原因かも!
虫歯や歯周病でもないのに歯が痛むなど、相次ぐ口腔内のトラブルは、噛み締めが原因かもしれません。
歯を削る前にチェックしてみてください
虫歯や歯周病ではない歯のトラブルが増えている。
私たちは、なにか難しい問題やストレスに直面すると、歯をぐっと噛み締めます。このとき、歯には200kgもの負荷がかかります。通常はそうした緊急事態が終われば、歯は元の状態に戻ります。
「元の状態とは、上下の歯同士が数mm離れ、舌が上あごについている、本来の自然な状態のこと。しかし、最近はそれが維持できない、つまり、つねに噛み締めている人が増えているのです。」
歯は体の中で最も固い器官ですが、噛み締めは同じ硬さの上下の歯を押しつけてるので、歯の接触面がしだいに削れて、摩耗します。内部の象牙質はあまり硬くないため、歯の根元にヒビが入ったり、割れて、そこに菌が繁殖して炎症を起こし、痛みに。結果、抜歯するしかなくなることもあります。
顎関節から肩、膝まで調整する必要あり
上下の歯は、食事で咀嚼するとき以外は接触していないのが普通です。では、一日のうちどのくらいの時間、接触しているのか?調べたところ、一般的には、最大たったの20分程度でした。
「それ以上に噛み締めてしまう要因には、ストレスなどによる精神面と、スマホをみるなど悪い姿勢などの体の歪みが関係しています。」
そこで、井出先生のところでは、体がどう歪んでいるのか、口腔内外の状態を総合的に把握して治療に入ります。「歪みが軽い場合には、普段から自分で歯を接触させないように意識する方法(ティース・アパート法)と、家で全身の歪みを補正・予防するあいうべ体操などのセルフケアを実践してもらいます。ほかにはマウスピースを作製して着用を指導することもあります。」
歪んだ土台に家を建てないように、まずは歯が生えている土台を整えること!咬合調整として、安易に歯を削る前に、噛み締めという原因を考えてみる必要がありそうです。
噛み締め癖のある方には、顎関節治療から考案された「さとう式リンパケア」をお勧めしています。顎の関節をゆるめることで、肩こり・片頭痛・耳なり等の体の不調も改善していきます。
当院では、さとう式のインストラクターが指導しています。
こんな症状は噛み締めが原因かも!
1 虫歯でもないのに痛む
2 熱いもの、冷たいものがしみる
3 詰め物やかぶせ物が何度も取れる
4 歯が破損したり、摩耗が激しい
5 入れ歯が痛くて噛めない、合わない
6 唾液が少ない
7 食事中に舌や頬肉を噛む
8 咀嚼できない
噛み締めが原因となり、さまざまな症状が現れます。神経に高い圧力がかかり続けることで、虫歯でもないのに痛んだり、熱いもの冷たいものがしみる知覚過敏になる、以前に治療したかぶせ物が破損する、唾液の減少や味覚の異常などを引き起こす、といったようなこともあります。