2021年9月号

“舌清掃”が重大な疾患の予防につながる可能性

インドの伝統医学『アーユルヴェーダ』の健康法/舌に付着する舌苔(ぜったい)を取り除く“舌清掃”!

「舌清掃」とは1日2回、起床後すぐ(朝食前)と夕食あとに、歯磨きをしてから舌専用ブラシなどで舌の掃除を行うというものです。インドでは、お腹の不調を整えるなど健康維持によいとされ、古くから行われています。
また最近では、口臭を予防する方法として欧米を中心に広く推奨されています。
そこで、科学的な効果を確かめることができないかと、アーユルヴェーダの専門家と口腔学(こうくうがく)の専門家に協力していただき、実験を行いました。まず、お腹の不調を訴える方々12名に協力していただき、専門家から舌清掃の指導を受けてもらいました。そして、4週間にわたって自宅で舌清掃を行ってもらい、口内フローラ(口の中の細菌の集まり)の変化を分析しました。
その結果、ほとんどの方の口内フローラの環境が改善、つまり悪玉の細菌が減少しました。さらに、お腹の不調に関する自覚症状も同様に改善したことがわかったのです。 歯の表面だけでなく舌苔にもいる歯周病菌は、がんやアルツハイマー病を引き起こす原因のひとつであることがわかりつつあります。
よって、今回取り上げた“舌清掃”は、お腹の不調だけでなく、こうした重大な疾患の予防につながる可能性もあると、専門家も注目しています。

アーユルヴェーダの「舌掃除」ワザ

ポイント
舌を傷つけないよう強くこすりすぎないで!

1.舌ブラシに水をつける。

鏡で舌に異常がないかを確認してから、舌ブラシに水をつける。

2.舌の片側を舌ブラシでなで下ろす。

2.舌の片側を舌ブラシでなで下ろす。
舌ブラシの凹面で、舌の側面と中央寄りを2回ずつ、やさしくなで下ろす。

3.舌の中央を舌ブラシでなで下ろす。

3.舌の中央を舌ブラシでなで下ろす。
舌ブラシの表裏を替え、凸面で舌の中央部分を2回、やさしくなで下ろす。

4.舌の反対側を舌ブラシでなで下ろす。

4.舌の反対側を舌ブラシでなで下ろす。
舌ブラシの凹面で、2と反対側の側面と中央寄りを2回ずつ、やさしくなで下ろし、最後に口をすすぐ。