2024年6月号

「歯周病」は感染症です
〜予防は毎日のセルフケアと歯科医院でのプロケア〜

歯周病は40歳以降で男女ともに増加していますが、中でもリスクが高いのは女性です。 女性は更年期に女性ホルモンの低下が起こります。それにより、口腔内が乾燥するドライマウスや骨粗しょう症になりやすく、歯周病の進行に影響するのです。歯周病菌は口の中だけにとどまらず、血液を介して全身疾患の発症に密接に関連することがわかってきました。

実は全身疾患に関連する歯周病!そのメカニズムは?

歯肉溝の中にびっしりと常在菌からなる歯垢がつきます。歯垢には善玉と悪玉があり、健康でも歯肉溝1〜2ミリに絶えず常在菌が入り込んでいます。 付着から1〜2日は善玉菌が守りますが、1週間たつと悪玉菌の割合が増加します。菌が増えると炎症が起こり、炎症物質がどんどん出て、血液に乗って全身を巡るのです。 歯周病菌は、飲み込まれると胃酸と胆汁酸で殺されてしまうので、何がなんでも歯や歯肉にくっつこうとします。奥歯で噛む80キロの圧力に耐えて口腔内にしがみつく、相当手強い菌です。

歯周病菌から体を守るためのセルフケア&プロケア

朝起きたときの口の中のネバネバの原因は細菌です。口をゆすぎ、歯ブラシで歯や歯肉を清潔にしましょう。唾液には口腔内の汚れを洗い流して細菌の増殖を抑える作用がありますが、寝ているときの唾液は、起きているときの3分の1。さらに更年期以降は唾液の分泌量が減って、その作用も低下します。食後、歯磨きをすることは重要ですが、外出中などの理由でできないこともあります。その場合、口をゆすいで対処しましょう。 セルフケアだけでは十分ではありません。3〜6ヶ月に1回は、歯科の専門的ケアが必要です。 正しいセルフケアとプロケアで、予防することが重要です。