2024年7月号

埋伏歯に注意!

埋伏歯って何?

埋伏歯のイラスト 埋伏歯とは、正常な萌出時期を大幅に過ぎても、あごの骨内または粘膜の下にとどまり、永久歯が生えてこない状態の歯のことをいいます。親知らずがこの状態にあることは非常に多く、生えるスペースが不足しているため、レントゲンを撮ると骨の中で横を向いていたり、斜めになって手前の歯に引っかかっていたりしています。このため、親知らずに押されて歯並びの凸凹が強くなってしまうことがあります。さらに親知らずの一部分が生えてくると、汚れがたまりやすく、奥歯の歯ぐきが腫れて痛みが出ることもあります。こうなると、悪化する前に抜歯する必要があります。
また、親知らず以外でも、前歯、犬歯、小臼歯、大臼歯のいずれの歯にも埋伏歯となる可能性はあります。状態によっては、すでに生えている健康な永久歯の歯根が傷つけられてしまうこともあります。

どんな処置をするの?

残っている乳歯の抜歯や外科的な処置のみで、埋伏歯が正しい位置にうまく生えることもありますが、歯根が完成した後にはめったに起こりません。このような場合、埋伏歯を引っ張り出す必要があります。多くの場合は埋伏歯にアタッチメントを接着し、ゴムのチェーンを装着して牽引します。
埋伏歯を引っ張り出すためのスペースを確保しておくことも必要ですので、矯正歯科治療をおこなう場合もあります。乳歯がなかなか抜けない場合や、反対側の永久歯に比べて生えてくるのが遅すぎる場合などは、一度歯科医院で診てもらうことをおすすめします。