2024年11月号
食いしばり&歯ぎしりに注意!
生き物の「噛む力」の大きさは?
食生活の変化や食品の加工技術の発展により、「噛む力」が弱くなったり、咀嚼回数が減少したことによる健康面での悪影響が出ています。地球上で噛む力が強い生き物といえばワニで、カバやジャガーが続きます。人間は強く噛んだときが70キロで、通常の食事の際には男性が60キロ、女性が40キロといわれています。これらのことから、噛む力はその人のおおよそ体重ぐらいということが分かります。
噛む力は強ければ強いほどいい?
噛む力が強いことが良いことかといえば、それは否です。強く噛むことと、よく噛んで食べることは違います。強くかみしめると、歯周組織や硬組織の破壊、筋肉の緊張による肩こり、顎の痛みなどが引き起こされる場合があります。強く噛んで食べる人の中には噛む回数が少ない人もいて、その場合、消化を助ける唾液の分泌が少なくなり、胃腸に負担がかかります。また、強く噛むよりもっと注意しなければならないのは、歯の食いしばりや就寝時の歯ぎしりです。力仕事やスポーツなどをするときも歯を食いしばります。食いしばりは歯に負担をかけ、肩こりや頭痛だけでなく、顎関節症の原因にもなるため、注意が必要です。また、歯ぎしりをすると、歯が磨り減ってしまうほか、 歯ぐきや顎の骨にも負担がかかります。歯ぎしりが続くと、知覚過敏が起きることもあります。
食いしばりや歯ぎしりをする人の場合、削れかたがひどく、高齢になった時に保てていない可能性があります。食いしばりや歯ぎしりに心当たりがある方はかかりつけ医に相談し、ナイトガードやマウスピースを検討してみてください。