2025年2月号

噛めない人はタンパク質不足、炭水化物過剰に。歯周病により糖尿病、認知症のリスクが上がります

噛む力は、年齢より歯の本数。80歳でも20本以上残っていることが重要。
「噛めない」を放置しないことが健康寿命延伸に繋がります。

健康寿命を考える人生の中で最初に発症するのが歯周病とむし歯です。これらの口腔内の病気の発症は、栄養バランスと大きく関係しています。炭水化物過多、タンパク質不足の食生活は、歯周病やむし歯のリスクを高めることがわかっています。
さらに歯周病、むし歯で噛む力が低下すると、硬いものが食べづらくなり、炭水化物過多とタンパク質不足が進むため、肥満や糖尿病などの生活習慣病に移行します。まさに負のスパイラルです。

タンパク質不足の低栄養状態は、骨粗鬆症や全身の筋肉量が落ちるサルコペニア、要介護手前のフレイルへつながるともいわれています。フレイルとは、加齢に伴う心身の活力低下のことです。

90歳でこんにゃくが噛める女性は100歳まで生きる人が多く、噛めなかった女性は1000日以内に亡くなっていたとする調査研究を、岩手県歯科医師会が発表。人は、噛めなくなると生きられなくなるということです。歯周病菌のPジンジバリス菌の毒素が血液を通して脳内に侵入し、アルツハイマー型認知症の原因のひとつ、アミロイドβの蓄積につながっていることもわかっています。
40〜50代でむし歯や歯周病を放っておくと噛む力が弱まり、糖尿病リスクが上がります。