2025年6月号

歯の付け根のむし歯、高齢者に多く予防重要


高齢者のむし歯が増えています。特に歯の付け根にできる「根面う蝕(こんめんうしょく)」は、気づかないうちに進行し、歯が折れる原因になります。
歯の加齢や歯周病で歯ぐきが下がると、歯の付け根が露出し、酸にさらされます。付け根を覆うセメント質とその内側の象牙質はいずれも酸に弱いのです。付け根は磨き残しも多くなりがちです。痛みもないままにむし歯が進行し、ある日突然、歯が根元から折れることもあります。ある歯科診療所を受診した20〜80歳代の男女を対象に調べたところ、付け根にむし歯がある割合は60歳代で51%、70歳代は66%、80歳代は70%と、高齢になるほど高くなりました。
付け根のむし歯を防ぐには、まず歯ぐきを下げないことが重要です。歯周病予防やむし歯の早期発見のため、歯が痛まなくても、年に1、2回程度は歯科医院に通い、むし歯リスクのチェックのほか、食生活や歯磨きについて指導を受けるのが望ましいでしょう。

予防と早期治療が重要

予防と早期治療が重要