2024年9月号

健康寿命を延ばすヒントは口にあり!正しい歯磨き習慣でオーラルフレイルを予防しよう

高齢化が進むなか、健康寿命を脅かす原因として「フレイル」が問題になっています。
フレイルとは、加齢により心身が衰えて虚弱になった状態のこと。飲み込みにくい、会話がしづらい、むせるなど、口の機能の衰えを『オーラルフレイル』といい、これが全身のフレイルにつながることがわかっています。まさに、老化の始まりは口から、なのです。
オーラルフレイルによって噛む、飲み込むなどの口腔機能が低下すると、しっかり噛まなければならない肉や、食物繊維が豊富な野菜を避け、軟らかいパンなど炭水化物中心の食事になりがちです。それによってたんぱく質などが不足し、筋力が低下したり骨が弱くなったりして歩けなくなることで、生きがいを失いやがて寝たきりに…というリスクが高まるといいます。些細なことでも口の不具合を放置するのは禁物。早い段階から口腔ケアをして、噛む力や舌の筋力の低下を防ぐことが大切です。

一番重要なケアは毎日の歯磨き!歯と舌の汚れを落とす口腔ケアグッズ

歯磨き剤

歯磨き剤は、むし歯予防が目的ならエナメル質を強くするフッ素配合のものがおすすめです。また、歯の表面を傷つけて汚れがつきやすくならないよう、なるべく研磨剤が入っていないものを選ぶといいでしょう。

フロス

細菌の塊である歯垢を取り除くことが歯磨きの目的です。ブラッシングだけですべてを除去するのは難しいので、最低1日1回、フロスなども使って、歯の隙間に残っている歯垢をしっかり落とすようにしましょう。

舌専用ブラシ

口の中で細菌がもっとも多く存在するのは舌。専用のブラシで舌苔(ぜったい/ 表面の付着物)を取り除くことも大切です。

デンタルリンス

歯磨きの仕上げには、殺菌成分などが入ったデンタルリンスを使うと、さらに効果的です。口腔粘膜は成分をダイレクトに吸収するため、体にやさしいノンアルコールタイプがおすすめ。
セルフケアでは取り切れない汚れや歯石もあるので、3ヶ月に一度は歯科を受診して、除去するよう心掛けて!