2005年3月号

蓄膿症(上顎洞炎/副鼻腔炎)って何?(その症状・治療)

歯が起因となっていることが案外・・・

蓄膿症(上顎洞炎/副鼻腔炎)イメージ

 冬期や春先には、風邪の症状が長引いていたり、アレルギー性鼻炎や花粉症などで、鼻や鼻の奥の粘膜が長期にわたって炎症をおこしている方が多いです。この時期に、「歯が浮いたような感じ」・「噛んだら痛む」・「歯の根元が痛い」・「頭を下げたりすると痛む」・「走ると奥歯が響く感じ」と言って来院される方の中には、明らかに虫歯でもなく、また歯由来の病気でもない場合があります。これらの症状は、たいていの場合「蓄膿症(副鼻腔炎/上顎洞炎)」という副鼻腔の炎症が原因のことが多いようです。

 蓄膿症(上顎洞炎/副鼻腔炎)とは、顔の骨にある副鼻腔(ふくびくう)という四つの空洞に、風邪などがもとで鼻からばい菌が入り、炎症がひどくなると出てくる症状です。特にその空洞の一つである上顎洞に最初に起こりやすいと言われています。

 上顎洞は上顎(あご)の奥歯の根っこに近いところにあり、上顎洞の炎症はそれらの歯に影響を与え、歯が浮いて噛めなくなったり、痛くなったり、はれたり、ひどくなると歯の神経が死んでしまうこともあります。
 また、膿汁が慢性的に蓄溜され、膿汁が徐々に鼻腔に排出されている場合を「蓄膿症」といいます。


どうしたらいいの?

 蓄膿症(上顎洞炎/副鼻腔炎)イメージ

 鼻が原因となる蓄膿症(上顎洞炎/副鼻腔炎)は、全体の8割程度と言われており、虫歯や歯槽膿漏など歯の炎症、感染が原因でなるものは全体の2割程度という統計が出ています。
 蓄膿症(上顎洞炎/副鼻腔炎)の処置を受けても症状がなかなかとれない場合は、それによって歯の神経が死んでしまったか、もともと歯の病気が原因とも考えられます。こんな場合は、すぐお近くの歯科医院へ行ってください!
 歯が原因の蓄膿症(上顎洞炎/副鼻腔炎)は、歯科医院の検査でほぼ分かります。一見、歯とは関係ないような病気も歯が原因となっていることがありますので、体全体の健康管理はもちろんのこと、口の中の管理にも気を配るようにしましょう。


江上歯科の治療

鼻鏡

 当院では、まず、パノラマレントゲンを撮影して口腔内診査をし、鼻腔と通じている自然孔の状態や分泌物の性状を、「鼻鏡」により確認してから、歯科的疾患への対処および投薬を行い、経過観察します。

 鼻鏡を用いて、鼻腔と通じている自然孔の状態/分泌物の性状を参考に,歯科的疾患の対処および投薬を行います。なお経過が長く、再々発症されておられる慢性の場合は、それなりに耳鼻科または病院口腔外科の紹介をさせていただきます。