2004年5月号

電動歯ブラシを上手に使いましょう

普及が進む

電動歯ブラシ

 歯の健康への関心が高まるなか、電動歯ブラシの普及が進んでいます。ちょっと前までは「価格が高い」というイメージが強かったのですが、最近では数百円程度の商品もあるぐらいです。しかし、「買ってはみたものの、うまく使いこなせない」という方も多いのではないでしょうか?

 市販の電動歯ブラシは主に3種類に分けられます。
1.ブラシの振動が毎分2000~3000回の電動歯ブラシ
2.30000回の音波歯ブラシ
3.120万回の超音波歯ブラシ

 超音波タイプは、手を動かす必要がないので、リウマチを患う人や高齢者などに適しているようです。電動歯ブラシをちゃんと使いこなせれば、手で磨くのに比べ3分の1の時間で済みます。手が不自由な人だけではなく、忙しい人や歯みがきが苦手な子供にも向いています。

 購入時に注意して頂きたいのが「持っても重くない」「ブラシや柄の振れ幅が大きすぎない」「振動音がうるさくない」「ブラシの先の大きさが適度で毛先が柔らかい」という点です。振動のスピードが速いほど歯垢をたくさん落としそうな感じがしますが、実際にはさほど違いはありません。また、「超音波機能」等で毛先が歯に触れなくても歯垢を落とせるような印象がありますが、「毛先まで毎分120万回で振動」するわけではありませんので、そんなに重要ではないようです。

正しい磨き方

歯磨きイメージ

 正しい使い方ですが、肝心な点は2つです。
「磨いている時に歯ブラシを動かさない」「力を入れすぎない」ことです。動かしすぎると、歯や歯肉を傷つける可能性があるので注意してください。振動が心地よく感じられる程度に、ブラシを歯に軽く押し当てていくのがコツです。「超音波」は振れ幅が小さいので、普通の歯ブラシのように少しだけ動かした方がよいでしょう。

 磨く際に重点をおくのは、「奥歯のかみあわせ」「歯と歯茎の境目」「歯と歯の間」であり、いずれも虫歯になりやすい場所です。この場合でも、糸で歯垢をかきだすデンタルフロスまたは歯間ブラシを併用した方がいいでしょう。毛先が届かない部分の歯垢を取り除くことができるからです。

院長

院長より一言

 電動歯ブラシ信仰(?)に陥ることなく、愛車を磨くのと同様、機械(ウォッシャー)に頼るより手磨きでゆっくり丁寧に、歯の形状に合わせた磨き方をするのが理想です。使い方は、その方の歯や歯肉の状態により違うので、歯科医院に持参し、歯科衛生士に直接ブラッシング指導をうけていただくことをお勧めします。