2005年8月号

もしもむし歯になってしまったら

歯医者に行くのはまた今度?

むし歯の穴が認められたら、なるべく早く歯科医院で治療してください。穴が開いてしまってから躊躇しても仕方ありません。考えることは、よい歯科医を選択することだけでしょう。

虫歯が小さい時なら1~2回の治療で、あまり痛みもなく完治させることができます。「まだ痛くないから」と放っておくと、細菌が深部の神経に達して、ひどい痛みに悩まされることになります。また、治療も歯の神経を取ったり、何回もかけて消毒したりと、通院回数も多くなります。そして神経を取ってしまった歯は、弱くなって詰め物では補修できなくなることも多く、冠をかぶせる必要も出てきます。すると、見た目や微妙な噛み合わせも心配しなければならないなど、何もいいことはありません。

歯に少し黒い部分が見つかった、白濁した部分ができた程度なら、削らずに治まることがあります。

最近、「冷たい物がしみるからむし歯になったのでは?」と心配している方がいらっしゃいますが、その場合、むし歯でなく知覚過敏である場合の方が多いようです。むし歯の心配をしすぎて、ゴシゴシ歯磨きし、歯肉をすり減らして歯の根の部分を露出させた結果、冷水にしみるようになってしまうことも多いので、注意しましょう。過ぎたるは及ばざるが如しです。

歯がしみるのは知覚過敏のせいかも?

若い時はむし歯で歯を抜くことが多いけれど、高齢者では歯周病で抜くことが多いと考えられていました。しかし最近の調査で、高齢者でもむし歯で抜くことの方が多いことが分かってきました。命ある限り、自分の歯で食べたいものです。たかがむし歯と侮らず、しっかり治療しましょう。もちろん、その前に予防が大切ですよ!

むし歯予防対策

  1. 歯磨きをきちんとして、砂糖を含有している食べ物を口にしない。
  2. 家族にむし歯が多かったら、なりやすい体質と心得て通常以上の注意をする。
  3. フッ素を多く含有した小魚をよく食べるようにする。フッ素でうがいをする。
  4. のどがよく乾くようになったら注意。ストレスを溜めず、精神的にも安定した生活を送る。
  5. なるべく間食しない。甘い物が欲しい時はキシリトール含有のものを選ぶ。
  6. 歯の詰め物や冠は壊れやすいものと心得て、注意して扱う。縁に歯垢が溜まらないよう、歯磨きをする。