2009年8月号

フロスか死か!(Floss or Die!)

Floss or Die!

十年ほど前、アメリカのマスコミからこんなメッセージが発信され、全世界に衝撃が走りました。何とも大げさな書き出しだと思われるかもしれませんが、これはつまり「デンタルフロス(糸楊枝)」や歯ブラシを使って口の中のお手入れを毎日きちんとやりますか?それとも、歯周病になってさらに命をおびやかす別の病気にもかかり、寿命を縮めて死にますか?」という意味です。

じつは、このようなメッセージが発信された背景には、「口の中の健康は全身の健康に通じる」という考え方があるのです。

私たちの口の中には、健康な人の場合でも約5000種類、数にして2億個ともいわれる微生物が住みついており、周りの環境に応じて悪玉に変化したり善玉に変化したりしています。歯磨きをサボって油断しているとすぶに悪い微生物が口の中に増えていき、それらの悪玉微生物は自分のすみかを歯や歯ぐきの周りに確保して、う蝕(虫歯)や歯周病を引き起こします。ちょっと考えてみてください。私たちは毎日、このように口の中に巣食う微生物たちと一緒に暮らしているわけです。それらの微生物は、のどから気管支、そして肺にまで入り込んだり、歯ぐきの中の血管にもぐり込んで、血液とともに、また、炎症の現場で生まれたさまざまな成分も同じように全身に散らばります。そして、それによって体中が悪玉微生物や炎症の成分に蝕まれて全身の病気を誘発し、最悪の場合は死に至ることも考えられるのです。

つまり、日本人の死亡原因の2位の心疾患、3位の脳血管疾患、4位の肺炎、これらと歯周病が密接につながっていることがわかってきているのです。