2014年3月号
食事のあとに口をすすぐだけでも むし歯予防に効果があるの?
ことに中年以上の男性に多いのですが、食事の後、お茶で口をすすいでいる人をよく見かけます。爪楊枝を使うのを同様、あまり美しい光景とはいえず、若い女性などに評判がよくありません。しかし、確かに食後の口の奥に残った食べ物のかすなどはかなり洗い流せます。お茶には殺菌作用もあり、歯を強くするフッ素も含まれていますから、それがいけないという医学的な根拠はありません。 ただし、口の中の食べかすを洗い流してきれいになった、というのは、あくまで、ごくおおざっぱな結果であって、医学的にはほとんどきれいにはなっていないのです。
むし歯などの病気の原因になるのはあくまで歯垢です。施行はお茶でうがいしたぐらいで取れるものではなく、ていねいに歯ブラシを使って、初めてきれいになるのです。
その点を勘違いさえしなければ食後に口をすすぐこと自体は決して悪いことではありません。口の中に残った食べ物から出るにおいなどは、それで消すことができます。砂糖の入ったものを食べたり飲んだりした後では、お茶にしろ水にしろ、口をすすぐことにはそれなりのむし歯予防対策も期待できます。ただし、口をすすいで、ああ、きれいになった、すっきりした、ト安心し、歯みがきをサボってしまうのが恐ろしいのです。
最近では清潔志向、快適志向の風潮からか、いろいろな洗口液が市販されるようになりました。口に含んで吐き出すだけでメントールなどの香りが清涼感を与え、口臭に悩む人や、口臭ノイローゼの人には強い味方になっています。これで口の中がすっかり清潔になる、などと思っては困るのですが、根本的な解決にはならないことを知った上でなら、使ってみるのもよいでしょう。
本当に口の中を消毒するつもりなら、市販のオキシドール液を3~10倍に薄めたもので口をすすぐと消毒効果と殺菌効果があり、歯周病や口内炎の予防にもなります。いずれにしても歯科医に相談する必要があるでしょう。
歯みがき剤と洗口液
ねり歯みがき
- 歯ブラシに適量をつけて歯をみがく
- 使用後は水ですすぐ
- 研磨剤を含んでいるので、歯垢や着色などの汚れを落とせる
- 口臭やむし歯、歯周病の予防
液体歯みがき
- 適量を口に含んだまま歯ブラシでみがくか、口に含んではきだした後にみがく
- 使用後は水ですすがなくてもよい
- 研磨剤を含まないので、歯垢や着色などの汚れは落とせない
- 口臭やむし歯、歯周病の予防
洗口液
- 口に含んですすぐ
- 歯みがき後に使用するのが望ましい
- 研磨剤を含まないので、歯垢や着色などの汚れは落とせない
- 口臭やむし歯、歯周病の予防