2020年9月号

プラークって、なんですか?

患者さんからこんな質問が!

「いまさら聞きにくいんですが・・・プラークって、なんですか?」
プラーク(歯垢)は、歯の表面に付着している細菌のかたまりです。
白色または黄白色をしているので目では確認しにくいのですが、舌でさわるとザラザラとした感触があります。
プラークはネバネバと粘着性が強いため、歯の表面にしっかりと付着し、強くうがいしても取れません。

プラークは、なぜできるの?

私たちの口の中には、ミュータンス菌という細菌がいます。これは成人であれば誰の口の中にも存在します。 ミュータンス菌は、私たちが食事をした後、歯磨きしないでいると、食べカスのなかの糖質(ショ糖)を分解し、ネバネバした細菌のかたまりを作ります。これがプラークです。
歯にべったりと付着したプラークは、ミュータンス菌の住みかとなります。この中で、ミュータンス菌は増殖し、酸を作りだします。この酸により、歯が溶かされ、むし歯になってしまうのです。
  1. 食べカスの中の糖質にミュータンス菌が集まってくる。

    食べカスの中の糖質にミュータンス菌が集まってくる
  2. ミュータンス菌が糖質を分解、プラークを作る。プラークはミュータンス菌の巣になる。

    ミュータンス菌が糖質を分解、プラークを作る。プラークはミュータンス菌の巣になる。
  3. ミュータンス菌がプラークの中で酸を出して歯を溶かしていく。これが進むとむし歯になる。

    ミュータンス菌がプラークの中で酸を出して歯を溶かしていく。これが進むとむし歯になる。
プラークの中には細菌が約600種類も存在していて、プラーク1mg当たりに約1〜2億個いると言われています。プラークは歯以外にもお掃除が不十分な入れ歯(義歯)や舌の表面などにも付着します。 時間が経過するほど、どんどん成長して口の中でトラブルを起こす細菌が増えていきます。