2020年10月号

よく噛んで“冷え”を改善!

からだが冷える、いわゆる“冷え性”。女性特有の症状だと思われがちですが、実は男性にも冷え性の方が多くいます。その原因は、ホルモンバランスの乱れなどの内的要因からストレスなどの外的要因までさまざまです。
服装や食べ物などに気を使っているのになかなか冷えが改善しないとお悩みの方は“よく噛む”という行為を試してみてください。シンプルなことですが冷えの改善に役立つかもしれません。

噛むことと体温の関係

現代人は昔に比べて噛みごたえのある食材を摂らなくなっています。それに伴い噛む回数が減っていて、戦前と比べると半分以下だといわれています。一方、日本人の体温は、この60年ぐらいの間に1℃以上下がっています。つまり、噛む回数が減るにつれ体温が下がっているということになります。

噛むことで内蔵脂肪が燃え、体温が上昇

噛むことで刺激される咀嚼中枢は、交感神経を刺激して内臓脂肪を燃焼させ、身体に熱を生み出します。実際に何かを食べなくても咬筋(こうきん:噛むときに使う筋肉の一つ)さえ動いていれば体温は上昇します。寒いと歯がガチガチ鳴るのもそのためです。ですから、冷えを感じたらガムを噛んだり、軽い噛み締め運動をしてみましょう。

また、よく噛むとだ液が増え、それによりストレスを感じたときに分泌される物質の濃度が薄まり、ストレス解消効果があります。 加えて満腹中枢が刺激されることによって、過食を防ぐダイエット効果もあり、まさに一石二鳥の健康法と言えるでしょう。