2020年11月号

〜院長から患者様へ〜『Tooth Wear』のおはなし

『Tooth Wear(トゥース・ウエア)』とは、むし歯ではないのに、歯が溶けたり、欠けたりすることです。
むし歯や歯周病に続く第三の歯の疾患として注目を集めています。
主な疾患として、酸蝕症(さんしょくしょう)や咬耗症(こうもうしょう)、摩耗性、アブフラクションなどがあげられます。

酸蝕症(さんしょくしょう)

「酸蝕症」とは、酸蝕によって歯が病的に傷んでしまった状態をいいます。
歯の表面を被っているエナメル質は、人体で最も硬い組織ですが、強い酸に触れると化学反応を起こして溶けてしまいます。スポーツドリンクやコーラなどの酸性飲料を多く飲む方や、逆流性食道炎の方に認められます。

咬耗症(こうもうしょう)

「咬耗症」とは、歯ぎしりなどで長年にわたって上下の歯が嚙みあうことによって、歯がすり減ることをいいます。一般的には自覚症状を感じることはほとんどありません。しかし、摩耗によって象牙質が露出してしまった場合、知覚過敏症を引き起こし治療が必要となります。

摩耗性

「摩耗性」とは、摩擦による機械的作用で歯質の表面がすり減って欠損となった状態をいいます。摩耗性は歯ブラシによるものが原因の多くを占めます。特に硬い毛の歯ブラシで長期間強い力で横みがきを行っていると、歯の表面、とくに歯肉との境目が徐々にすり減っていきます。

アブフラクション

「アブフラクション」とは、歯ぎしりなどで歯に必要以上の荷重がかかると、歯の硬い組織が壊され、えぐれた状態(くさび状欠損)が生じることです。症状が進むと、歯が割れたり、神経が露出して非常にしみることがあります。
このように、むし歯以外でも「しみる」「痛みがでる」という症状が起こります。
気になることがございましたら院長またはスタッフまでお気軽にご相談ください。