2022年2月号

その頭痛、 歯医者さんで治るかも

40代女性のKさんは、一年ほど前から時々頭痛を感じるようになりました。週に2〜3回、頭 全体が締め付けられるような痛みを感じるものの、動けないほどではないとのこと。
気になって近くの内科を受診した結果…。


「『はじめて経験する痛み』が『突然』起き、『どんどん悪くなる』という頭痛の場合は、くも膜下出血など危険な病気であることもあります。しかし、今回のKさんの頭痛は当てはまりません。どうやら筋緊張型頭痛のようですね。同じ姿勢を長くしていたり、寝不足や寒さ、精神的なストレスなどで首や頭の筋肉が張っていたりして起きる頭痛です。痛みや炎症を和らげる鎮痛剤を出しましょう」
Kさんのかかりつけの内科の医師は、このように話した後、少しだけ首をかしげました。
「ここ半年くらいで少し回数が増えたようですね。何か環境や習慣の変化はありませんでしたか?」
Kさんはふと、歯科検診を思い出しました。
むし歯ができやすく、以前は半年ごとに定期検診に行っていたものの、近頃は一年以上受診していなかったのです。
医師は「歯が原因で筋緊張型頭痛になることがあるので、受診してみてください」と歯科受診を勧めました。
歯科を受診すると、かみ合わせのズレが見つかりました。十年以上前に治療した上の奥歯のかぶせ物が、下の歯を削ってしまっていると歯科医師は言いました。
「偏ってかむ癖があったり、頬杖をする癖があると、かみ合わせは変わってしまうんです。かみ合わせが悪くなり、顎周りの筋肉に負担がかかることで、頭痛が起こることもあるんですよ」
奥歯のかぶせ物を削って調整すると、Kさんの頭痛は激減。さらに、歯のクリーニングをして歯垢を落とすとスッキリした気分になりました。
「今後はちゃんと、定期的にチェックを受けに来ますね。また半年後に!」
と言うKさんに、歯科医師は声を掛けました。
「実は、歯をクリーニングしたら、むし歯を見つけました。治療のために、半年後ではなく、来週も来てくださいね!」