2026年5月号
女性ホルモンと歯の関係

女性ホルモンが歯に及ぼす影響を知っていますか? 実は、女性ホルモンのバランスが崩れると、妊娠期の場合には歯周病リスクが一気に高まってしまうのです。
女性ホルモンのバランスが崩れやすいのは、思春期、妊娠期、更年期。思春期や妊娠期にはエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌量が大幅に増加します。これにより歯肉が刺激されて炎症を起こしてしまいます。更年期にはだ液やエストロゲンが減ることでさまざまな不調が起こります。
妊娠期に活発になる女性ホルモンは歯周病の菌を刺激する成分を持っていて、このとき起こる歯周病は「妊娠性歯肉炎」と名付けられています。妊娠期に歯のトラブルを抱えやすいのは、セルフケアがしづらい生活になることも原因。つわりにより食べられるものが限られたり、ダラダラと食べ続けたりして食生活が乱れ、口内が酸性傾向になり、むし歯リスクが増えてしまうことも。また、歯ブラシや歯磨き粉に拒絶感を抱くこともあり、ケアがおろそかになりがちです。
母体が歯周病になってしまうと、それと戦うために作られる抗体が子宮に悪影響を与え、早産を引き起こすことも。また、歯周病の妊婦さんは、低体重児出産になりやすいというデータもあります。
女性ホルモンのバランスが崩れる時期
思春期
歯を磨けていてもホルモンの影響で炎症に。
小学校高学年から中学生にかけて、ホルモンバランスの乱れや生活習慣の乱れが原因となって、思春期性歯肉炎が起こる。多くは一時的なものだが、なかには月経のたびに歯肉炎が起こってしまう人もいる。
妊娠期
カラダの変化と向き合いながら、最低限のオーラルケアを。
女性ホルモンの分泌量は通常の10〜30倍になるといわれる。これによって歯周病菌が刺激されるだけでなく、つわりによる食生活の変化、歯磨きなどのセルフケアが難しくなることで、歯周病リスクはアップ。早産や低体重児出産の危険もおよぼすため、無理のないセルフケアを行いつつ、歯科でのクリーニングを定期的に行うのが理想的。口内を洗浄するだ液も減る傾向に。


